どれくらい遠い?
観測史上2番目と4番目に遠い銀河が、パンドラ銀河団またの名をエイベル2744と呼ばれる領域で発見されました。
ある研究チームが2022年にジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が観測したディープフィールド画像を調べたところ、地球からは驚くほど離れた両銀河の存在が明らかになったのです。
JWSTがエイベル2744を初めて観測したのは2022年6月で、その時のディープフィールド画像にはおよそ6万個もの光源が含まれていました。
このたび、JWSTの近赤外線分光器(NIRSpec)と近赤外線カメラ(NIRCam)で超深宇宙を探査する「UNCOVER」プロジェクトの分光分析データから、両銀河の気が遠くなるほどの距離が判明。天文学者らによると、地球から約330億光年も離れているとわかったのです。
この2つの古代銀河の新たに発見された特徴を説明する論文が、『The Astrophysical Journal Letters』に掲載されました。
これまでに発見されている遠方の銀河と異なる点
宇宙望遠鏡で古代銀河を観測すると、点のような光源として写るのが一般的です。しかし論文の筆頭著者でペンシルベニア州立大学の天文学者、そしてUNCOVERのメンバーBingjie Wang氏は、同大学のリリースにてこう説明しています。
「1つはほとんどピーナツのような細長い形で、もう1つはフワッとしたボールのように見えました。
大きさにおける違いが恒星の形成のされ方、または形成後に起きたことに起因するのかは不明ですが、銀河特性の多様性は実に興味深いです」
ハッブル宇宙望遠鏡は2014年に、フロンティア・フィールド計画の一環でエイベル2744を撮影していました。同銀河団は35億光年先にありますが、重力レンズ効果でさらに遠方の光源(今回の2つの銀河を含めて)を拡大しているのです。
初期の宇宙を知る手がかりに
2つの銀河の年齢が330億歳というわけではありません。宇宙誕生から3億3000万年経った頃に両銀河から放出された光が、約134億光年旅してJWSTの検出器に到達。
宇宙の膨張が地球と両銀河との距離を広げてしまったため、2つの銀河(あるいはその残骸)は現時点で330億光年離れているということです(年齢でいうと140億歳に近い)。
「このような銀河からの光は古く、その年齢は地球のおよそ3倍になります」と、ペンシルベニア州立大学の天体物理学者でUNCOVERチームの一員であるJoel Leja氏は前述のリリースにて述べていました。
「光が初期の宇宙を構成するごく薄い水素ガスを突っ切っていて、こういった初期銀河はさながらビーコンのようです。
初期銀河からの光によって、私たちは宇宙の夜明け近くの銀河を支配していたエキゾチックな物理を理解し始められるのです」
研究者たちはもっと遠方に銀河が存在するとしてもJWSTの性能なら、煌めく星々に囲まれている非常に微かな光を観測できるはずだと考えています。
Source: NASA, The Astrophysical Journal Letters, EurekAlert!,
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