大手家具メーカーのIKEAは空気清浄機「FÖRNUFTIG(フォルヌフティグ)」を開発・販売しています。このIKEA製空気清浄機を大手レビューサイト「Wirecutter」が酷評したところ、Wirecutterの評価基準に疑問を呈するユーザーが現れ、Wirecutterによる評価の問題点が次々と指摘されています。
Contra Wirecutter on the IKEA air purifier
https://dynomight.net/ikea-purifier/
Wirecutterは2022年4月に「ベスト空気清浄機」と題した複数の空気清浄機を比較する記事を公開しました。この記事の中でWirecutterはFÖRNUFTIGに搭載されているフィルターの性能や除去可能なゴミの種類について触れ、比較対象の他の空気清浄機と比べて性能が劣っているという評価を下しました。このWirecutterによるレビューについてテクノロジーや科学に関するウェブサイトを運営するdynomight氏が「Wirecutterの評価は明らかに間違っている」と指摘し、記事の問題点を複数あげています。
一般的に、空気清浄機にはHEPAフィルターと呼ばれる種類のフィルターが搭載されています。問題の記事には、「FÖRNUFTIGには『真のHEPAフィルター』が搭載されていないため、直径0.3マイクロメートルの粒子ではなくPM2.5などの直径2.5マイクロメートル以上の粒子を取り除くことに最適化されている」と記されています。一方で、FÖRNUFTIGの製品ページを確認すると、ISO 29463-3(EUのHEPA規格)におけるEPA12相当のフィルターが搭載されている旨が記されています。
Wirecutterが当該記事中で「真のHEPAフィルター」と呼んでいるのはEPA12より粒子捕集能力が一段階高いH13相当のフィルターです。EUの規格におけるEPA12とは、空気中の粒子を99.5%捕集できる能力を示しており、H13は空気中の粒子を99.95%捕集できる能力を示しています。このため、Wirecutterによる「『真のHEPAフィルター』(H13)を搭載した空気清浄機は0.3マイクロメートルの粒子を捕集可能で、EPA12相当のフィルターを搭載したFÖRNUFTIGは0.3マイクロメートルの粒子ではなく2.5マイクロメートルの粒子に最適化されている」という説明はまったく的外れだとdynomight氏は指摘しています。
また、Wirecutterは煙などの0.01マイクロメートル単位の非常に細かい微粒子を捕集するには「真のHEPAフィルター」を搭載した空気清浄機が適しており、FÖRNUFTIGは花粉やカビの胞子などの比較的大きな微粒子を捕集することに適していると説明しています。しかし、HEPAフィルターは1枚の面に小さな穴を開けたザルのような構造をしているわけではなく、立体的に繊維が絡み合った構造をしています。このため、「H13のフィルターなら0.01マイクロメートル単位を捕集可能だが、EPA12のフィルターでは完全に不可能」というわけではありません。
dynomight氏はWirecutterが上記のような的外れな評価を掲載している理由について、「Wirecutterのオススメ製品」を購入させるためではないかと疑いの声をあげています。
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