奪うことに一生懸命になっていた
――あらためて、森保監督が今大会で感じられた「足りなかったモノ」というのは技術・戦術的な部分で言えば、どういったところでしょうか? スペイン戦が一番「足りなかった」部分を感じたのだろうと思いますが。 あの試合で言えば、奪ったボールをどう保持するのか。つまりプレス回避の部分ですね。奪ったボールを即座に奪い返しに来る相手のプレスを回避し、確実にマイボールにできるかどうか。それが速攻であれ遅攻であれ、もちろん状況の違いはいろいろとありますけれど、そこでの確率というのがまずあると思います。 ――スペインと言えばポゼッションプレーですが、むしろカウンタープレスのところで差を感じた? スペインのプレッシャーをどうかいくぐっていくのかというところが第一でした。ボールの出しどころにすごくタイトに素早く来るので、そこをどうやって回避していけるかということがすごく大きなポイントだったと思っています。 実は五輪以前のロシアのW杯の時点から挙がっていたポイントでもあるんです。トレーニングでも取り組んできた部分でしたが、スペイン戦でやはりそこで課題が出ていました。親善試合とはまるで違う強度であれだけの力を持つチームがやってくる。それをかいくぐる回数が少なくて、結果的にボールを相手に渡してしまうことが増えたことで疲弊も大きくなり、最後の失点にも繋がっていると思っています。 ――親善試合では体感できない強豪国の本気のカウンタープレスをどう回避するかという点が一番の課題だったということですね。 全体として攻撃の形ができることは多くなかったですけれど、決定的チャンスを作れた場面もありました。ただやはり、時間が経つにつれて相手に奪われる、奪い返されることが多くなりました。もちろん、すべて回避して繋げるとは言わないですが、その確率を上げて回数を増やせるようにしないといけない。スペイン戦で中山雄太のクロスから前田大然がヘディングしたシーンとか、プレッシャーを回避してやり直してというところから、生まれた結果です。 ――個人の技術の問題でしょうか。 もちろん技術力をもっと上げることも大事ですが、予測力やグループとしての準備のところだと思います。基本的なポジショニングや動き出しのところで、それは守備でも同じだと思います。こちらが相手ボールを奪い返せるかどうかという部分ですね。 ――日本がうまいこと相手を誘導して奪ったシーンもありましたが、奪われる前に奪い返しの動きが始まっているというか、そもそも奪われても奪い返しやすいポジションを取っていますよね。 奪うことに一生懸命になって、余裕を欠いたところもあったと思います。もうちょっと力が落ちる相手であれば狙って奪えて、次の準備もできていましたし、プレッシャーを回避して攻撃に繋げるということもできていたと思います。奪うことでギリギリになって、次に向けたアクションを起こせませんでした。その差を埋めるための方法が必要だというのはまずあらためて感じているところです。
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