前回に続いて、「記事化に向けて広報ができること」の後編をお届けします。取材時に使用する資料の確認や撮影のサポートなど、広報ができることはたくさんありますが、意外とやっかいなのが取材後のフォローだそうです。
▼前回はこちら 始まりは大きく2パターン 記事化に向けて広報ができること取材で使う資料のチェックは忘れずに
広報にとって自社の取材対応者は役者のような存在です。しかし、本職の“役者”とはやはり違います。普段、「企画のプレゼンテーションだって上手だし、取材対応くらい問題ないよ」と豪語している人であったとしても、いざメディアの記者を前にすると、緊張したり、見えを張ったりするものです。
メディア側か取材対応者のどちらかに、少しでも心配や何か引っかかるようなことがある場合は、早めに取材場所へ向かい、注意点を伝えたり場を和ませたりしておくこともあります。たったこれだけでも、コミュニケーションの質が上がって誤認などが防げるため、記事のクオリティーも上がります。
取材で使う資料や発言のファクトチェックも広報の大事な仕事の一つです。最近、失敗したのは、取材で使用した資料に「Confidential(部外秘)」と記してあったのに気付かず、後でメディアの方から「使っていいのか?」との確認をいただいたことです。事前チェックが甘かったですね、反省です。
取材時は現場対応が基本。具体的に何をすべきかは、その都度頭をフル回転させて対応することになりますが、常にどのような記事になるかを想像して動くことが大切です。中でも写真撮影は広報のサポート力を発揮しやすい場面です。いかにして撮影対象となる商品や人物が“映える”ように整えるかが、腕の見せどころ。可能ならバリエーションを提案してもいいでしょう。
撮影場所も、事前にどこがいいか調べておくのは当然です。取材対応者が仏頂面では記者も困ってしまうかもしれません。そのような場合は、相手に代わって広報が「少し笑ってくださーい」と声をかけるのも、重要なミッションであります。
大切な取材後のフォローは慎重に
実は一番やっかいなのが取材後のフォローです。記事が出る直前まで気が抜けません。取材だけでは記事化のための情報が足りない、また先方に何かふに落ちないことがあるからフォローが必要になるわけですから、これをできるだけ減らすことが重要です。フォローが少なくて済めば、記者側も良い取材ができたということですし、結果的に企業にとって納得のいく記事になる確率が高まるのです。
私も先ほどの“Confidential問題”のように、不必要な手間をメディア側にかけさせてしまうことがあります。説明不足、視点の違い、認識違いのミスコミュニケーションなどがこの段階で浮き彫りになって、煩雑なやり取りに発展することがあります。軽い認識合わせで済めばいいのですが、最悪メディア側に嫌われ、記事化が取りやめになる、出入り禁止、連絡が途絶える……ということもあり得ます。広報としては、どうしてもそれは避けたいものです。
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