英国海軍による北グリーンランド遠征より70年を迎える2022年7月、チューダーよりツールウォッチの新コレクション「レンジャー」(31万1300円〜34万7600円/消費税込)が発売された。果敢な冒険の精神を伝統的なデザインで体現する新モデルの魅力を、ブランドの歴史とともに紐ときます。
“Ranger”の言葉の下、ブランド初期より連綿と受け継がれる冒険的精神と堅牢性・実用性へのこだわり
「レンジャー」という名称がチューダーの歴史に登場したのは存外に古く、1926年の創業からわずか3年後となる1929年。この年、創業者であるハンス・ウイルスドルフは、「Ranger(レンジャー)」なる名称を登録しているが、当時この名前は特定の何某かのモデルを指すのではなく、同ブランドに時計に「冒険的な要素」を付加するために使われたといわれている。例えば1943年、インド市場向けに作られた“REF.274”などもそのひとつだろう。
「冒険的な要素」が最初に形となったのは、1952年7月から2年間にわたって行われたイギリスによる北グリーンランド遠征探検への“オイスタープリンス REF.7808”供与により実施された製品性能テストだ。テムズ川のほとりの町デプトフォードからグリーンランドへ向かう彼らの腕には、完成したばかりの“オイスター プリンス”が巻かれていた。
極寒の地グリーンランドで複数地点において調査を行う遠征メンバーたちに、チューダーはブランド初の自動巻き防水時計“REF.7808”を30個提供し、その性能データを収集してほしいと依頼したのだ。
この冒険によって確立された「堅牢で実用性が高く、かつ適正な価格設定」というコンセプトは、長い時を経たのち、1965年に“オイスター プリンス レンジャー REF.7995”なるツールウォッチに結実する。「ブラックダイヤルに、発光塗料を施した3・6・9・12の文字」という、のちのモデルのデザイン基準となる意匠が生まれたのもこの時代から。日付表示の有無や自動巻き・手巻き式など多彩なバリエーションが生まれ、1973年にはケースと一体化したブレスレットを備えた「レンジャーII」もラインアップに加わるなどその人気は隆盛を極めた。
伝統のデザインと現代ならではの高度な実用性が融合して蘇った新生「レンジャー」
さて、今回あらためてデビューを果たした新生「レンジャー」に話題を戻そう。生まれかわった「レンジャー」では、グレイン仕上げのマットブラックダイヤルに、ベージュのインデックスを乗せたデザインは一見レトロな趣だが、現代ならではの高度な実用性がふんだんに盛り込まれているのが大きな特徴だ。
例えばコンパクトな39mmのスティールケースに収められているのは時計製造技術の粋を集めた COSC認定 マニュファクチュールキャリバー MT5402。堅牢性と耐久性に優れたこのムーブメントは、磁力の影響を受けないシリコンバランススプリングを搭載することで日差-4秒〜+6秒という高精度を実現、加えて約70時間というロングパワーリサーブも叶えている。
バリエーションとしてストラップ違いの3種類をラインナップ。このモデルはダイヤルやケースが極めてシンプルなだけに、ストラップ選びは第一印象を大きく左右する重要な要素として、ぜひ慎重に選びたいところだ。
スチールブレスレットモデルは、ユーザー自らの手で容易にサイズ調整できる“T-fit”クイックアジャストクラスプを完備。ツールウオッチとしてのタフな印象を強調するならイチオシだ。品の良さを漂わせるならブラックレザーにラバーライニングを合わせたハイブリッドストラップモデルもいい。あえて施したファブリック調の型押しが個性的な印象を添えてくれるだろう。
チューダーらしさを味わいたいなら、ファブリックストラップモデルも一度は手にとってみたい。フランスの名門ジュリアン・フォール社が手がけるストラップベルトはチューダーにはなくてはならない存在だが、今回のモデルではオリーブグリーンをベースに、センターにベージュ×レッドラインが入ったファブリックストラップを採用。どことなくミリタリーテイストを感じさせる配色も、コレクションのイメージと好相性だ。
●製品仕様
■TUDOR RANGER
品番:REFERENCE 79950
価格(消費税込):スチール製3列リンクブレスレット 34万7600円、レザー×ラバーライニングストラップ 31万1300円、ファブリックストラップ 31万1300円
ケース:スチール製39mmケース、サテン仕上げ
ガラス:ドーム型サファイアクリスタル
ムーブメント:自動巻き マニュファクチュール キャリバー MT5402、COSC認定クロノメータ
駆動時間:70時間パワーリザーブ
防水性能:100m防水
からの記事と詳細 ( 大人気チューダーの「レンジャー」誕生物語と最新モデルとして復活した魅力はどこにある? - Au Webポータル )
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