「1試合で終わりにしない、というのが現状のテーマです」
FC東京の長谷川健太監督は、チームの現状に何より必要なのが「継続性」であると強調する。 今季は4月から5月にかけて喫した5連敗で底を打ってその後は2連勝したものの、清水エスパルスに敗れ、サンフレッチェ広島に引き分け。ルヴァンカッププレーオフステージ第1戦で湘南ベルマーレにホームで敗れると、今度は天皇杯2回戦で順天堂大にまさかの黒星。ピリッとしない試合が続いた。 転機になりそうなのは、6月13日のルヴァンカッププレーオフステージ第2戦だ。湘南とのリターンマッチは、レアンドロ、ディエゴ・オリヴェイラにアダイウトンの2発が続いて、ブラジル人トリオが仲良くゴールを決めて4-1で快勝、逆転で勝ち抜きを決めている。 「1試合で終わりにしない、というのが現状のテーマです」と長谷川監督。日本代表の小川諒也、U-24日本代表の田川亨介が不在だったこの試合だが、「今季一番の出来だった」と納得の勝利だった。これを続けていかなければならない。 「継続は力なり、で、続けることがチーム力のバロメーターになります。1試合できたからといって、まだまだ本当の力とは言えません。これを次のリーグに続けてやれるかどうかが大事な部分です」 明るい話題はレアンドロの復調だ。一時はコンディションが整わずに試合から離れる時期もあったが、湘南戦では生き生き。 「いまは非常に良い状態でトレーニングもゲームもしてくれていると思っています。何もいうことはないです」 「チームの一員としてプレーすることが大前提だと思いますし、いましっかりとした心構えでプレーしてくれています。その上でもちろん高い能力を持っているので、次もしっかりプレーしてほしいと思っています」 ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトンとの超高速コンビネーションがFC東京の大きな武器なだけに、レアンドロのカムバックは心強い。 もう一つは、19歳の左サイドバック、バングーナガンデ佳史扶(カシーフ)の成長だ。小川不在の湘南戦で先発出場を果たすと、左からのセンタリングでゴールを導くなど、存在感を示した。 「ここで突き抜けていってほしいですね。もちろん諒也という大きな壁はありますが、諒也も代表でアシストはしましたけどミスも多かったですし、越えられない山ではないですから、カシーフに頑張ってほしいと思います」 若手を褒めて自信を促しつつ、レギュラークラスには刺激を与える。長谷川監督ならではのチーム活性術かもしれない。 そんな好材料のあるチームが継続性を証明するには、勝てばいい。6月19日のJ1第18節は横浜FCとのアウェーゲームだ。相手は最下位だが、長谷川監督は「Jリーグに簡単な相手などいない」と引き締める。 「我々が危機感を持っていけるか。湘南戦は背水の陣で、勝たなければいけない状況で一つになることができました。同じような気持ちで横浜FC戦に臨んでいかなければいけないと思っています」
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