社会問題化するインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷やデマの拡散。姿の見えない加害者の言葉や画像の暴力に被害者が苦しんでいる。そんな中、西日本新聞「あなたの特命取材班」に、ボランティアで悪質な投稿を監視し、自ら削除させる活動を長年続けている団体から連絡が入った。「もっと解決法を知ってほしい」。熊本市内でメンバーの一人に会った。 【写真】動画投稿サイト「ユーチューブ」にあった誹謗中傷事例 取材班が話を聞いた30代男性は、2005年ごろから悪質な投稿対策に取り組んできた任意団体「誹謗中傷監視システム」(旧名・サイバーオーディター)のメンバー。普段はネット関連事業を営む。 被害者からネットで相談を受けた事例を紹介してくれた。
「本人は(福祉)施設費用をピンハネし高級外車を乗り回している。極悪非道な人間だ」。2020年11月中旬、動画投稿サイト「ユーチューブ」に、ある人物を誹謗中傷する内容が次々と投稿された。チャンネル名にも、関係する会社のロゴなどが使われていたが、事実無根だったという。 毎日のように誹謗中傷する新たな動画がアップされた。日を追うごとに過激になり、ある動画の再生回数は投稿から2週間で2000回を超えた。被害者はユーチューブ側に削除を依頼したが認められなかったという。その理由は説明されておらず、他の会員制交流サイト(SNS)などでも、認められないケースがほとんどという。 11月下旬。団体が「第三者機関」を名乗り、名誉毀損(きそん)などの可能性が高く、誹謗中傷の記録と監視を個別に始めたことをコメント欄に書き込み、相手に伝えた。弁護士や警察へ相談していくことも通告。すると、12月上旬には全ての投稿が削除されたという。
◆ 「世の中全体で、悪質な書き込みを許さないという姿勢を見せていく。もう放置も泣き寝入りもしない。書き込みを直接指定して、一つ一つ注意を促す。粘り強く活動を続けていくことが本当の解決につながる」 司法関連の書き込みサイトに、誹謗中傷監視システムの横浜市の女性メンバーが掲載したコラム(2014年)の一節だ。 被害者からの相談があれば、その書き込みについて監視していることを告知し、「受理番号」を発行。書き込んだ当事者が団体のウェブサイト内で番号を入力すれば、弁護士への相談状況など、どう監視されているのか分かる仕組みになっている。悪質な書き込み例も紹介しながら、自発的な削除を促すのが基本的な方針だ。専門知識のある団体が担うことで、書き込み者のプレッシャーとなり、個人で対応するよりも効果的だという。
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