3日、第42代日本ライトフライ級王者・高橋悠斗（27）とオンライントークショーを行った。
高橋は、新型コロナウイルスの影響による2度の試合延期がきっかけで、日本タイトルを保持しながら4月に引退を表明。
引退後は飲食店を経営していたがコロナの影響で営業自粛。しかも、とある事件がきっかけで家までも失ってしまった。
引退から1ヶ月経った現在。高橋はどのように過ごしているのか、話を聞いた。
何もしないと精神的にやられてしまう
ーーーSNSで「家を失った」と投稿がありましたが何があったのですか。
高橋：上の階に認知症の方が住んでいて、排水をつまらせた状態で、水を流しっぱなしにして寝てしまったようです。
すごい音で目が覚めたら、エアコンのところから滝みたいに黄色い水が流れてきて、部屋が大洪水になってしまいました。
臭いもきついですし、漏電の可能性があると言うことで、家を出ることになりました。
ーーー今はどのように過ごしていますか。
高橋：ホテルで生活しています。
1日何もしないと精神的にやられてしまうので、朝にランニングしたり、SNSで発信したり、人と関わるようにしています。
ーーーホテルでの生活はどうですか。
高橋：今2週間目ぐらいですが、とても辛いです。
3日に1回は清掃が入るので、6、7時間は外に出なければいけなくて、
また、コロナの影響で1週間に1回部屋を変えてなくてはいけないので、荷物の移動も大変です。
ーーー引退後の生活はどうですか。
高橋：ボクシングが生活の軸からなくなって、最初の半月くらいはモヤモヤしていました。
今は時間に余裕ができたので、今後の活動のために勉強や読書の時間に当てています。
引退を決めた本当の理由
ーーー引退を決めた理由はなんですか。
高橋：モチベーションの低下が理由との発表があったと思いますが、正しくは違います。
ボクシング競技を続けていく上でメリットとデメリットを考えた時、このタイミングでやめなければ損をすると思い、辞める決断をしました。
ーーー日本王者になって世界まであと少しというところでしたが、後悔はないのですか。
高橋：後悔はありません。もちろん世界は狙っていましたが、僕のボクシングのやり方では世界王者になっても、収入・知名度はあまり変わらないでしょう。
なら、ボクシングに使っていた時間をビジネスなど自分のスキルを磨く時間にあてたいと思ったのです。
SNSの活用について
ーーー高橋選手はSNSの使い方がうまいですよね。
高橋：Twitterのアナリティクスを見て分析したり、試行錯誤しながらやっています。
トークショーを見ている方もTwitterから参加してくれた方が多いと思います。本当に感謝です。
家を失って、会ったことのない人からも「食べるもの困っていない？」「別荘を自由に使っていいよ」など嬉しい言葉をいただいて。
フォロワーの方々が自分の宝になりますね。
ーーー高橋選手のようにSNSを使いこなせる選手は少ないと思います。ボクサーのSNSは高橋選手から見てどうですか。
高橋：もっと自分という商品を魅力的にみせる努力をするべきだと思います。
例えば、0勝9敗でもいいんです。そのボクサーが1勝するところって見たいじゃないですか。
いかに自分らしさを活かしてストーリーを作るかが大切なんです。
第2の人生について
ーーーネットでも「ボクシングは卒業」と書いていましたが、次のステージに、ということですか。
高橋：はい。ボクシングでの経験を活かしていきたいですね。
先日、格闘技団体からオファーもありましたが、ボクシングやキックボクシングはもうやる気はないのです。
今は総合格闘技に興味があります。
ーーー総合格闘技ですか。
高橋：はい。ボクシングとキックボクシングでチャンピオンになっているので、総合格闘技でもチャンピオンになれたら、面白いストーリーになるかなと。
ーーー最後に、高橋選手の今後について聞かせてください。
高橋：自由になって生きていると面白いことが入ってくるんですよね。
「コロナが落ち着いたら、フィットネスクラブ運営して欲しい」とお話をいただいたり、総合格闘技への興味とか、やりたいことがたくさんあります。
現在、会社を設立して、オンラインで選手同士の対談やスキルのシェアできるサービスを計画中です。
今はコロナの影響が大きい時期ですが、この事業でスポーツ全体を明るくしていきたいと思っています。
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May 07, 2020 at 03:30PM
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コロナで全てを失ったボクサー高橋悠斗 引退を決めた本当の理由とは（木村悠） - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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