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Tuesday, May 26, 2020

WHOへの最後通牒、トランプの本当の狙い(Wedge) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

 今回のテーマは、「トランプのWHOへの書簡をどう読み解くか」です。ドナルド・トランプ米大統領は5月18日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長宛てに送った4ページにわたる書簡を公表しました。  トランプ大統領はどのような方法でこの書簡の「宣伝効果」を高め、テドロス氏に圧力をかけたのでしょうか。そして、どのようなメッセージを誰に対して発信したのでしょうか。本稿では、書簡の「タイミングと見せ方」「構成」及び「本当の目的」の視点から分析します。

タイミングと見せ方

 トランプ大統領は同月18日午後10時55分(米東部時間)、WHO年次総会の際中にテドロス事務局長宛てに書簡を送りました。WHO全加盟国の代表が注目する最高のタイミングを狙いました。テドロス氏に最大のショックを与えるタイミングであることも確かです。  しかもトランプ大統領は支持者に対する「宣伝効果」を高めるために、自身のツイッターでこの書簡を公表しました。その際、「自明だ!」と投稿しました。  約8015万人のフォロアーに対して、新型コロナウイルス感染拡大の責任がテドロス事務局長と中国にあるのは「改めて説明するまでもない」とつぶやいたのです。

「書簡の構成」

 書簡の構成に注目してみましょう。トランプ大統領は冒頭からWHOが中国寄りで独立性に欠け、新型コロナ対応に失敗した点を指摘しています。即座に「要点」から入ることにより、テドロス事務局長に先制パンチを浴びせました。  次に、米国が握っている14の「エビデンス」を時系列的に並べて、テドロス氏と中国の「蜜月関係」を非難しました。例えば、「WHOは2019年12月初旬に武漢で新型コロナウイルス感染が拡大しているという信頼ある報告を一貫して無視した」というのです。  さらに、北京にあるWHOの事務所は12月30日までに、武漢で「深刻な公衆衛生」の懸念があることを認識していたと記述しています。  トランプ大統領は書簡で、WHOと中国、台湾の関係についても言及しました。「台湾当局は人と人との間で感染する新型ウイルスに関する情報を提供したが、WHOはこの重要な情報を政治的理由のために他国と共有しなかった」と述べています。  しかし、NPR(米公共ラジオ)によれば、WHO及び台湾はこの事実を否定しています。  「20年1月21日、中国の習近平国家主席と会談を行った後、あなたは中国政府の『透明性』について称賛した」「あなたは中国政府がウイルスについて口を開いた医者を黙らせたり罰したりした点には触れなかった」「あなたは中国の圧力に屈した」と、テドロス氏個人の責任を厳しく追及しました。  ただ、トランプ大統領は「透明性」に関して1月24日、「中国はコロナウイルスを封じ込めるために、一生懸命やっている。米国は彼らの努力と透明性に大変感謝している」と、自身のツイッターでつぶやいています。実は、トランプ氏は中国に対してテドロス氏と同じ立場をとっていました。

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