2023DWは、地球衝突の可能性がある地球近傍天体をまとめた欧州宇宙機関(ESA)の「リスク・リスト」で現在トップに位置しており、2046年2月14日のバレンタインデーに約625分の1の確率で地球に衝突する可能性がある。
2023DWは、科学者が管理しているトリノスケールに現在登録されている唯一の天体でもある。トリノスケールは、特定の天体に対して一般大衆が懸念すべき程度を示すために使われる。2023DWは同スケール上でレベル1とされており、これは記事で取り上げること自体が大げさだと言われかねないレベルだ。
トリノスケールのレベル1が実質的に表しているのは、その天体が追加の観測を要するものであり、それにより得られる追加の軌道データに基づき、地球に衝突する可能性を排除あるいは著しく減少させることができるということだ。
As noted by Kevin Heider #2023DW (diameter ~48 meters), JPL shows a 1 in 1,200 chance of impact on 14 February 2046. Here an image on Feb. 28.88 UT, mv ~ 20.0, from Sormano2 (G. Ventre) . pic.twitter.com/TWAHNR4JDX
— PS (@Piero_Sicoli) March 1, 2023
ただ現状の予測だと、2023DWは23年後、1%以下の確率で地球に衝突する。万が一そうなった場合を考えると、2023DWの直径が50mと推定されていることを指摘しておくべきだろう。このサイズは、近代最大級の天体飛来事例2件に匹敵する。2件は1908年と2013年にいずれもロシアで発生し、被害は大規模ながらもおおむね表面的なものにとどまったが、シベリアで1908年に起きた「ツングースカ大爆発」では、隕石の空中爆発により3人が死亡した可能性がある。
ツングースカ大爆発がシベリア遠隔地の森林地帯の広範囲を破壊したのに対し、2013年の隕石は大気に進入する角度が小さかったため、その潜在的威力は減少。何千枚もの窓ガラスが割れ、多数の軽傷者を出したが、死者はいなかった。
もし2023DWが都市部を直撃すれば、深刻な被害をもたらす可能性がある。もちろん、地球の大部分が海と森林で覆われていることを考えると、その確率はかなり低い。
それでも一部の研究者は、お遊び的に最悪の事態を想定し、2023DWのあらゆるデータをシミュレーションに投入して衝突地点を予測している。
#2023DW. With just 3 days of arc, I found about 1 in 400 chance of impact on Feb. 14, 2046 (JPL 1/770). Surely this possibility will soon be ruled out, however, as an exercise, I calculated where the asteroid might fall if this possibility occurred. pic.twitter.com/ldlSYJMvMz
— PS (@Piero_Sicoli) March 2, 2023
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