アトラスより、Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam、Windows)で発売中のリマスター版『ペルソナ3 ポータブル』『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』。同作の発売を記念して、ゲーム好きとしても知られる、お笑いコンビ・マヂカルラブリーの野田クリスタル氏の実況動画“野田クリスタルが挑む!『ペルソナ3 ポータブル』” がアトラス公式YouTubeチャンネル“atlustube”で公開されている。
野田クリスタルが挑む!『ペルソナ3 ポータブル』実況プレイ
ファミ通.comでは実況動画の収録を終えた野田クリスタル氏にインタビューを実施。『ペルソナ5』の大ファンであるという野田クリスタル氏にシリーズの魅力や、初めて『ペルソナ3 ポータブル』をプレイした感想、『ペルソナ』シリーズを題材にして野田ゲーを作るならどんな作品にしたいかなどを聞いた。
Amazon.co.jpで『ペルソナ』を検索野田クリスタル 氏(のだ)
吉本興業所属。お笑いコンビ・マヂカルラブリーのボケを担当。2018年に“キングオブコント”の決勝に進出。2020年に“R-1ぐらんぷり”、“M-1グランプリ2020”の王者となる。ゲーム好きとして知られており、Nintendo Switch用ソフト『スーパー野田ゲーWORLD』では“超おもしろ総監督”として制作に携わる。(文中は野田)
――今回の実況動画でプレイされた『ペルソナ3 ポータブル』のオリジナル版である『ペルソナ3』が発売されたのは、じつに17年も前になります。当時はこのソフトの存在はご存じでしたか?
野田もうそんなになるなんて聞いてビックリしました。17年も前というとかなり昔に聞こえますが、ボイスも入っているし、ゲームシステムについても最近のRPGのものだと言ってもわからないくらい洗練されている。 むしろ最近のRPGのゲームシステムが、当時から何周もして生き残っているものだということですよね。今回プレイさせていただいて、正直、すごすぎて引いています。
――17年前と言えば、野田さんはすでに芸人として活動されていましたよね?
野田いちばん調子が悪かった時期ですね(笑)。まだマヂカルラブリーを結成する前でピンで活動していて、どん底の状態でした。毎日やることがなくて、MMORPGを1日18時間くらいプレイしていたくらいです。
――18時間も!?
野田もともとゲームは好きなのですが、そのころは人生でいちばん遊んでいました。同時に、いちばんくすぶっていた時代でもあって、人とのコミュニケーションもほとんど取らずに殻に閉じこもっていたんです。
――まさにペルソナを発動しそうなエピソードですね。
野田もし、当時『ペルソナ』シリーズもプレイしていたら、ものすごく感化されていたでしょうね。たぶん、めちゃくちゃ強かったと思いますよ、僕のペルソナ。あまりに負のオーラにまみれていたので、もしかしたらシャドウだったかもしれませんが……。
――当時はその存在を知りつつもプレイはされていなかったということですが、のちに『ペルソナ5』はプレイしているんですよね? どういうきっかけがあったのでしょうか。
野田じつは『メガテン』(『女神転生』シリーズ)や『ペルソナ』は、兄貴がプレイしていたこともあって昔から存在は知っていました。
とくにスーパーファミコンの『真・女神転生』は、僕もプレイしていたんですよ。ただ、当時の僕には難しい作品でした(※発売時の野田さんは6歳)。ゲームの難易度だけでなく、お話自体も子どもにはまだ早かったんでしょうね。だから、当時はクリアーできませんでした。
――たしかに、6~7歳でプレイするにはハードルが高かったかもしれませんね。
野田当時のダークな雰囲気のゲームというイメージがあり、『ペルソナ3』にも何となく手を出さなかったのかもしれません。
それが、数年前にゲームセンターで『ペルソナ4』の格ゲー(※『P4U』こと『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』)を見かけて、「これが『ペルソナ』!?」ってビックリしたんです。僕の持っていたイメージと真逆で。
――とくに『ペルソナ4』シリーズは黄色がイメージカラーですし、演出も含めてダークな感じはしませんよね。
野田そうなんですよ。キャラクターもカッコよかったりかわいかったりするし、UI(ユーザーインターフェイス)や演出、音楽もスタイリッシュだし。
格ゲーとしてもよくできていたと思います。『P4U』のおかげでイメージが変わってから、またしばらく間が空くのですが、ある日ニコニコ動画で『ペルソナ5』のPVに出会うんです。当時はニコ厨で動画ばかり観ていたので、PVの存在にはすぐ気付きましたが、さらにカッコよくなっていてまた驚きました。
――それで実際に『ペルソナ5』をプレイしてみてどうでしたか?
野田ものすごいボリュームでしたね。メインストーリーはもちろん、部活だとかバイトだとか、コープを始めいろいろな話が出てきて「どれだけストーリーが入っているんだ?」と思っていました。とくに、僕は恋愛の話が気になってしかたがなかったです(笑)。
――コープで絆を深めると発生するイベントのことですよね?
野田それですそれです!
――お気に入りのキャラクターはいましたか?
野田魅力的な女の子は何人もいたのですが、僕が好きだったのは新島真ですね。自分の出身地が神奈川県なので、中華街へデートに行ったのがとくに印象深かったです。先輩キャラクターでありつつも、ちょっと世間知らずなところもあって、それがカワイイんですよ。別のシチュエーションだったらどうなるだろうとか、ゲーム中、脳内変換をしながらずっとニヤニヤしていました。
――真は主人公の1学年上の先輩でありながら、検事・新島冴の妹でもある、いい属性が揃っていますよね。
野田彼女はよかったです。あとは、戦力としてふつうに強くて、ずっとパーティーに入れていました。金剛発破(物理属性の全体攻撃)とかフレイ系が使えるうえに、回復もこなせるし、何かと役立ってくれましたね。
――ちなみに、先輩キャラクターと言えば『ペルソナ3』の桐条美鶴も近いポジションですよね。同じ大型バイク使いですし。
野田大型バイクを乗り回すイメージがなかったので、美鶴がバイクで出てきたときには驚きました。ただ、『ペルソナ3』で気になっているのは(岳羽)ゆかりです。序盤からけっこういい感じな雰囲気で、このあと彼女との関係がどうなるのかが気になっています。この作品では恋人関係になれるし、しかもそれが段階を踏んで関係を深めていく形になっているのがいいですよね。
――高校2年生の1年間の日々を追体験していくという形が生んだゲーム性ですね。
野田本当にいろいろなことができるのがうれしいですね。ただ、やれることがたくさんありすぎて、「終わるのかな? このゲーム?」とずっと思っていました。
――『ペルソナ4』以降は複数人と恋人関係を築いて、バレンタインで修羅場を経験する……なんてイベントもあったりします。
野田そんなことができるんですか! “夢”ですね。『ペルソナ』なら「コミュの力で主人公を強くしなければいけないから、やむをえず7股かけているんだよ」という口実もありますし、心が痛まないのがすばらしいと思います。
“暗転”したその後は……? 野田さんのこだわりポイント
――『ペルソナ3 ポータブル』のバトルはいかがでしたか?
野田とにかく“スタイリッシュ”のひと言に尽きます。演出、戦闘内容もすべてがスタイリッシュ。主人公だけがいろいろなペルソナが使えて、リーダーとして活躍できるというシステムもいいですね。万能感があって。あとはやっぱり総攻撃がおもしろい。演出もいいし、何より威力が……。あれがあるのとないのとで、バトルの難易度が大きく変わってきますから。しっかり弱点を突いて、有利に進めていくのが大事です。
――しかし、収録では最初のボス戦で苦戦しましたね。
野田あの戦闘ってまだチュートリアルの一部ですよね? それなのに、まさか負けてしまうとは……さすがアトラス(笑)。視聴者の皆さんも、まさかいきなりコンティニューすることになってどう反応したらいいかわからなかったのではないでしょうか? 僕もどんな顔をして2回目を戦えばいいのか、内心焦っていました。
――一方、列車でのボス戦は難なく突破されていました。本来はあちらのほうがだいぶ難しいはずだったのですが。
野田まったく苦戦しませんでしたね。どう戦ったらいいかわからないうちに、ゴリ押しで倒せてしまったという……。本当は湧いてくるザコを利用してどうにかするのだと思ったのですが。
――弱点だと思った属性が弱点ではなく、戸惑っておられましたよね? あれはじつは、道中で出会った敵の亜種的なものなので、弱点も変わっているんですよ。
野田そういうことか! アトラスさんの掌の上で転がされていましたね。ザコには本当に苦労させられました。道中のシンボルの移動もめちゃくちゃ速かったですし。『ペルソナ5』の倍くらい速かったのではないでしょうか。そのぶん、マップ上でのアタックがうまく決まると気持ちよかったです。
――敵が飛び込んでくるのに合わせて、気持ち早めに振り出すのがコツなんですよね。
野田あれは慣れでしょうね。ヒリヒリする感じは嫌いじゃなかったですよ。
――もうひとつ『ペルソナ3』で当時話題になったもののひとつに、ボーカル入りのBGMがあります。とくにバトルではかなりノリノリなBGMが楽しめますが、印象はいかがでしたか?
野田『ペルソナ3』ではすべての要素が絶妙に噛み合っているんですよね。BGMにしても、スタイリッシュでセンスがある曲ばかりなのですが、強烈な印象を与えるとともにゲームミュージックとしても成立している。場面が動くときには必ずBGMにも動きがある。主役であり脇役でもあり、その絶妙さがすごい。『ペルソナ5』ではさらにそれが如実に表れていて、各場面でこだわりを感じました。
――『ペルソナ5』ファンとして、昨年にはNHKの『ゲームゲノム』にも出演されました(※2022年10月12日に初回放送)。その反響は?
野田想像以上に反響がありましたね。本田翼さんは本当にいい番組をやっているなと思いました。本田さんも僕と同じように恋愛要素が気になっていて、放送されていない部分でかなりの激論を交わしていました。
――何か意見が分かれるところがあったのでしょうか。
野田コープのイベント中に、思わせぶりに暗転するシーンがあるじゃないですか。
――川上先生と主人公の部屋で過ごすアレですね?
野田その暗転しているあいだ、ふたりが部屋で何をしていたのかということが重要なんですよ。本田さんは「Netflixを観ていた」と主張していたのですが、「そんなわけあるか!」と(笑)。しかし、残念ながら議論は平行線をたどってしまいました。
――そこで本田さんが同意したら一大事です。しかし、川上先生にしろ、女医の武見先生にしろ、メインキャラクター以外でも魅力的な人物が多かったですよね。
野田本当にすばらしかった。コープだけで1本ゲームを作れますよね。選択肢を選ぶだけで楽しいですもん。『ペルソナ5』にはストーリー、バトル、育成など、1本にいくつものゲームが入っているようなものです。サブキャラクターも本当に魅力的で、真以外では川上先生のコミュにいちばん興奮していました。先生と仲を深めていく過程がリアル。弱みを握って、すこしずつ寄り添っていって……ああいうドラマありそうですよね。
――格闘ゲームやリズムゲームなど、『ペルソナ』シリーズでは派生作品も多数発売されていますが、野田さんが『ペルソナ』シリーズを題材にしてゲームを作るとしたら、どんな作品にしたいと考えますか?
野田『ペルソナ5』のキャラクターを使うなら、“モルガナ集め”みたいな作品を考えてみたいです。出てくるキャラクターがすべてモルガナで、庭に滑り台があって、そこで遊んでいるみたいな。“モルガナレース”みたいな作品もいけるかも? あとは絶対に許されないと思いますが、“オトナの『ペルソナ』”もいいですね。“暗転”のその後が描かれる……とか。あとは“ペルソナさんぽ”とか名付けて、位置ゲーみたいなものも。実際に現実にある街も登場していますし、やってみたらおもしろいかもしれません。
――それでは最後に、読者へメッセージをお願いします。
野田自分にとっては、ゲームというよりは映画をオススメするという感覚に近いかもしれません。『ペルソナ』シリーズは1日単位で学生生活をなぞるように進んでいくので、より作品世界に入り込めるんです。だから、話についていけなくなるということがなく、実体験のように楽しめます。システムもしっかりしていて、慣れまでのハードルは少し高めかもしれませんが、それを乗り越えればハマらない人はいないと思うので、とにかくプレイしてみてほしいですね。
からの記事と詳細 ( 『P3P』『P4G』リマスター発売記念 野田クリスタル氏インタビュー。シリーズの魅力や「『ペルソナ』を題材にした野田ゲーを作るとどんな作品に?」など直撃! - ファミ通.com )
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