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Tuesday, December 20, 2022

PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介 - ファミ通.com

 発売日が2023年1月26日と正式に決定し、いまやその日を約1ヶ月後に迎えようとしているプレイステーション5用の高機能コントローラー“DualSense Edge”。11月末に開催されたメディア先行体験会に参加してきた筆者が、PS5ユーザーを熱くさせているこの新コントローラーの使用感についてレポートする。はたしてその完成度やいかに!?

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ハード&ソフトの両面から高機能化を図った“DualSense Edge”

 2022年8月にドイツのケルンで開催されたgamescomでその存在が明らかになった“DualSense Edge”。さらに10月にこの新たなPS5用コントローラーの発売日が2023年1月26日、希望小売価格が29980円[税込]であると発表されると、話題は一段とヒートアップ。予約受付を開始したショップの大半でその日のうちに完売状態となってしまった。

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PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
希望小売価格は29980円[税込]と安くはないが、まさに純正として初となる“ハイパフォーマンスコントローラー”であることは間違いない。

 SIEが「ハイパフォーマンス」と表現するこの“DualSense Edge”は、ひと言で言えば高機能版“DualSense”だ。ほぼ同サイズ、ほぼ同形状のボディのなかに“DualSense”が持つすべての機能を備えるだけでなく、ふたつの背面ボタンの追加をはじめ、アナログスティックのキャップ交換や、トリガーの深さを左右独立して調整ができる物理的な仕組みなど、さまざまなカスタマイズ要素と新機能が盛り込まれている。

 先に言ってしまうなら、実際に手に取ってみてわかったのは、それらの新しく、魅力的ないくつもの新機能の多くが、ハードウェアとしての作りだけでなく、ソフトウェアのサポートが加わることで、より高度な機能へと高められているという点だ。

 そうした“DualSense Edge”の強みがもっとも顕著に表れているのが、アナログ入力が可能な左右のトリガーだろう。“DualSense Edge”では、各トリガーの脇にスライドスイッチが設けられている。この位置を変えることで、トリガーを押し込める物理的な深さを3段階で変更することができるのだ。

 さらに、PS5の画面上で“DualSense Edge”の設定画面を呼び出すことで、ソフトウェア上で各トリガーの“遊び”の範囲を設定できるようになっている。どういうことかというと、トリガーを押し込んでも“押し込まれていることを無視する範囲”と、“目一杯押し込まれたと判断するトリガーの深さ”を変更できるのだ。

 つまり、“DualSense Edge”はトリガーの物理的な可動域を変えられるだけでなく、“トリガーが押されたことに反応する範囲”をソフトウェア上でも設定できるのである。うまく設定すれば、プレイに熱中して意図に反してトリガーを押し込んでしまう誤操作を防いだり、逆に、トリガーを押し込める深さの設定状態に関係なく、まるでデジタルな通常のボタンのようにわずかな動きで俊敏に反応するようにもできるわけだ。

 いままでもプレイステーションシリーズに向けた高機能なコントローラーは各社からいくつも発売されてきた。しかし、“DualSense Edge本体側のシステムソフトウェアレベル”で動作に関する詳細な設定まで可能なものはもちろん存在しない。ハードウェア的な工夫だけに止まらず、“SIE純正”だからこそ可能になったきめ細やかなソフトウェア制御がそれをサポートする。これこそが“DualSense Edge”の強みなのである。

PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
メディア先行体験会は媒体ごとに個別の時間枠を取って行われた。“DualSense Edge”に関するレクチャーを受けたあと、30分ほど『Apex Legends』などのゲームを体験。その操作感を味わった。ちなみに写真に写っているのは筆者ではなく、編集部の北埜トゥーン。
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“DualSense Edge”の背面。トリガーの脇にスライドスイッチが新設され、トリガーの深さを物理的に3段階で調節できる。アナログであることがトリガーの強みだが、あえてこれをデジタルなボタンのような感覚で操作できるようにもなっているのだ。
PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
トリガーの深さやスティックのキャップなど、物理的な部分だけでなく、背面ボタンへの割り当てをはじめ、トリガーやスティックの動作についてなど、ソフトウェア的にもかなり細かくマニアックなカスタマイズが可能であるところが“DualSense Edge”の特徴。設定は3種類のプロファイルとして記録し、瞬時に切替ができる。
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カスタマイズし、プロファイルとして記録できる内容は大きく分けて、各ボタンの割り当て、スティックの感度とデッドゾーン、トリガーの動作範囲とデッドゾーン、振動の強さ、トリガーエフェクトの強さと5つの項目がある。入手したらタイトルごとにじっくり設定を煮詰めていきたくなるマニアックさだ。

“DualSense Edge”のUIに関する設定をひと通りまとめた動画。これを見れば“DualSense Edge”でどんなことができるのか、理解できるはずだ。

“DualSense Edge”に搭載された新要素を紹介

 さて、それでは“DualSense Edge”に搭載された主な新要素をひとつひとつ紹介していこう。

編み込みケーブルの採用と、抜け落ち防止機構

 eスポーツのオフライン大会ではコントローラーの有線接続が必須となるケースがある。そんなときに重宝するであろう新機能がこれ。“コネクターカバー”をケーブルの端子部分に装着したうえで“DualSense Edge”に接続。さらにコネクターカバーにあるスイッチをスライドさせることで、接続が固定される仕組みが採用された。また、標準添付のUSB Type-Cケーブルは2.8メートルと十分な長さがあり、表面を編み込みの繊維素材で覆われた高級感のあるものが採用されているのもポイント。

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“DualSense Edge”に付属するUSB Type-Cケーブルは2.8メートルと十分な長さを持っている。左が開いた状態のコネクタカバー。ここにUSBケーブルをセットする。これを装着することで折り曲げによる端子部分での断線を防止する効果も期待できる。
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端子の両脇に突き出た黒い金属パーツが“DualSense Edge”本体と噛み合い、コネクタカバーのスライドスイッチを“LOCK”側にスライドさせると固定され、抜けなくなる仕組み。もちろんコネクタカバーを装着せずにケーブルだけを接続することもできる。

左右のトリガーは深さの調整が可能

 トリガーの脇、背面部分にトリガーを押し込める物理的な深さを3段階で設定できるスライドスイッチを装備。深く押し込める“DualSense”のトリガーは、ドライビングシミュレーターのアクセルのようなアナログ操作を行うときは非常に役立つが、一方、FPSにおいてたとえば武器の発射に設定するような場合だと、深く押し込めることがかえって操作のしづらさを招くことがある。

 また、アナログ的な操作を行うにしても、その深さが変えられることは操作感の向上につながるケースもあるだろう。前述のように、PS5の設定画面からデッドゾーン、つまり不感範囲を変更することも可能だ。

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トリガーに関する設定画面。どのくらい押し込んだところで反応をはじめるか、また、どこまで押し込むと目一杯押し込んだことになるかをソフトウェア上で設定することができる。物理的な仕組みと合わさることで、かなり柔軟で幅広い設定が可能になっている。

キャップだけでなくユニットごと交換も可能なアナログスティック

 アナログスティックはスティックキャップが交換が可能だ。従来の“DualSense”と同じく周辺部が盛り上がったタイプのもののほか、中央部が盛り上がったドームタイプのものがハイ、ローと長短2種類が用意され、3種類から好みのものを選ぶことができる。

 ハイドームは端から端まで倒し混む距離が長くなる分、微妙な倒し具合をコントロールしやすくなるし、逆にロードームはよりクイックな操作感が得られるわけだ。アナログスティックは消耗がもっとも激しい部分でもあり、使い込むうちに反応が悪くなったりといったことが起こりがち。

 “DualSense Edge”では、この部分のカバーが開閉でき、トラブルが出た際にはアナログスティックをモジュールごと自分で交換することができるようになっている。大会出場中にトラブルが出た、なんてときにも予備のモジュールを用意しておけば素早く対処できるのである。なお、交換用のスティックモジュールは別売りで、1個2680円[税込]。

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背面にある“RELEASE”というスイッチをスライドさせると、アナログスティック周囲のパネルが跳ね上がり、外せる状態になる。脇にある銀色のレバーを引き上げるとアナログスティックのモジュラーが手前にスライドしてモジュールが取り外せる。コネクタに負担をかけることなく外せるよう、よく考えられた構造だ。
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修理に出したり買い換える手間や出費を考えたら、アナログスティックが不調を来した場合にユーザーの手で素早く交換ができるのはうれしい仕様と言えるだろう。また、写真のようにスティックキャップは上に引き上げて外し、交換も可能。
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スティックに関する設定もかなりマニアック。標準、クイック、高精度、安定、デジタル、ダイナミックと、倒し込んだときの感度に関する曲線を6通りから選べるうえ、デッドゾーン、つまり反応しない範囲をある程度自由に設定することができる。

ふたつの“Fn(ファンクション)ボタン”を装備

 アナログスティックの手前側に左右ふたつの“Fnボタン”が追加された。“DualSense Edge”では、ボタンやスティックの設定をプロファイルとして登録しておき、Fn+△/○/×/□でそれらを切り替えることができる。ユーザーが定義できるのはFn+○/×/□の3通り。ちなみにFn+△でデフォルト状態に戻る。

 また、ヘッドフォンを接続しているときには、Fnボタンと方向キーの上下でその音量を、左右でゲームとボイスチャットのバランスを調整することが可能だ。ちなみにフロファイルが切り替わるときには振動してユーザーにそれを伝えてくれるほか、何番目のプロファイルになっているのかをLEDで示すように設定もできる。

PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
この写真で左右のスティックの下側に突き出た部分が新設の“Fnボタン”。構造的にはスティックのモジュールと一体化している。プロファイルを切り替えたり、設定メニューをいきなり呼び出したりといった、いわゆるショートカットキー的な存在だ。ちなみにLEDの色で、何番目のプロファイルに設定されているかがわかるようになっている。スティックキャップに左右で別々のものが装着されている点にも注目。

好きなボタンを割り割り当てられる2個の背面ボタンを搭載

 操作性という面でトリガーとともに“DualSense Edge”に大きなアドバンテージをもたらすのが、この背面ボタンだ。背面ボタンには自分の好きなキーを割り当てることができ、さらにその形状を半円形のコンパクトなものと、手前側に長く伸びるレバーと、2つの形状のものを好きな組み合わせで装着できるようになっている。

 PS5のコントローラーはトリガーの使用頻度によって、左右の指でどのように持つかが微妙に変わる。それによって背面ボタンへの指のかかり方も変わってくるわけで、それに合わせて変えるのもいいし、単純に押しやすさに対する好みで選ぶのもありだ。誤操作を防ぐための半円形のものを選んだり、さらに背面ボタンを使わないときは機能を割り振らないだけでなく、押せないようにどちらのタイプも「装着しない」という選択できる。

PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
これも“DualSense Edge”で新たに設けられた背面ボタン。手の大きさや、トリガーをどれだけ使うかにもよるが、一般的には薬指で操作することになるだろうか。向かって左側に半円形のものを、右側にレバータイプのものを装着している。外側、下方向に向けてスライドするようにスイッチが装着されていて、レバータイプはてこの原理で押し込む動作でスイッチがオンになる構造。このパーツは金属製で強度があるだけでなく、安っぽさを感じさせない点もいい。
PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
背面ボタンはほかのボタンやスティックなどと同じように、この画面で割り当てを行う。初期状態では「-」、つまり何の機能も割り当てられていない状態だ。背面ボタンは親指で押し分けることになる△○×□ボタンと違い、常に指がかかった状態になる。アクション性の強いゲームで素早く押したい機能を割り振ることで操作性の向上が期待できる。
PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
『Apex Legends』をプレイ中の北埜トゥーン。少しわかりにくいが、右手の薬指が背面ボタンにかかっている。北埜トゥーンはここに□ボタン(ゲーム内のデフォルトでは、武器弾薬のリロードやアイテムの取得など)を割り当てていた。“つねに指がかかった状態にあるボタン”をふたつも増やせるのは瞬時の判断と操作を求められるタイトルを遊ぶ人にとってはかなりの恩恵となるはずだ。

全オプションパーツも収納可能な携帯用ケース

 この“DualSense Edge”には携帯用ケースが付属する。本体のほか、USBケーブルや交換用のスティックキャップ、コネクターカバーさらにはアナログスティックの交換用モジュールを収納するスペースまで用意されている。外に持ち出すときにはもちろん、家で交換用パーツを保管する際にも役立つのだ。しかも、コントローラーを収納したままUSBケーブルを接続して充電できるようになっているところも注目すべきポイント。移動時にも充電して使用時に備えられるわけだ。

PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
コネクターカバーやUSBケーブルをはじめ、交換できるカスタマイズ用のパーツも一通り収納しておける“DualSense Edge”の携帯用ケース。本体を収納したまま充電ケーブルを接続できるようになっている。写真に見えている二次元バーコードを読み取ると“DualSense Edge”のマニュアルページへ飛べるようになる予定。

高いが価値のある逸品、それが“DualSense Edge”だ

 通常の“DualSense”の標準小売価格が7480円[税込]であるのに対し、“DualSense Edge”は29800円[税込]。PS5の本体価格はディスクドライブ搭載版が60478円[税込]、デジタル・エディションが49478円[税込]であることを考えても“DualSense Edge”の価格はかなり高価であることは間違いない。その価格設定からSIEの“DualSense Edge”にかける本気度を感じ取ってはいたものの、実際に触ってみて「まさかここまでとは」と驚いた。

 高機能であるだけでなく、“カスタマイズの幅”は広い。そのうえ細部を見るほどに使い勝手に対する細やかな配慮が感じられるのだ。たとえば、サービスに預けての修理や買い換えの必要のないモジュール交換式になったアナログスティックもそうだし、USBコネクタのロック機構もそう。あらゆる点がブラッシュアップされていて、価格の正当性が感じられるのである。

 筆者がいちばん見事だと感じたのは、背面ボタンの作り。背面ボタンは垂直方向に押し込むのではなく、斜め方向にスライドさせるような構造になっている。コントローラーを持ち、薬指、あるいは小指で操作することを考え、もっとも指に負担がかかることなく、自然に握り込むような方向に動くのである。その押しやすさはあまりに自然だが、つまりはそれだけ“練り込まれている”ものであると感じさせる。

 「何かひとつのジャンルやタイトルに使えるものではなく、タイトルとジャンルに幅広く対応できるものを目指しました。また、開発に十分な時間をかけただけでなく、プロのeスポーツ選手をはじめとした数多くのユーザーにテストに参加していただき、その評価をしっかりと反映させて作り上げました」

 体験会でそう語ってくださったのは、“DualSense Edge”の商品企画を担当したグローバル商品企画部 1課チーフの水野智正氏だ。元より好評であった“DualSense”の操作感覚をほぼ完璧に踏襲し、それを損なうことなく新たな機能が付加。そしてユーザーの好み、使用環境に合わせたカスタマイズの幅を持たせた“DualSense Edge”の完成度は見事というほかない。

 付け加えておきたいのだが、“DualSense Edge”がいくら高機能だとは言っても、複数のキーをひとつのボタンに割り当てる、いわゆる“マクロ”のようなことはできない。操作としてチートと判断されるような設定ができないこの仕様は、純正品らしい、正しい節度を持っていると言える。

 実際のところ、新設された背面ボタンや、深さの調整ができる左右のトリガーなど、その使い勝手がもたらす恩恵は短い試遊時間でも強烈に感じられた。SIEが本気で作った、そしてSIEにしか作れない“純正の高機能コントローラー”の使い心地は、1度知ってしまうと元には戻れないものだ。

 確かに高い。しかし高いがその分の価値はある。“DualSense Edge”は、そういう商品だ。

PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
体験会で解説してくださった水野智正氏。その口調からは“DualSense Edge”に対する自信と満足感がうかがえた。
PS5用高性能コントローラー“DualSense Edge”先行レビュー。使い心地や操作感、細かい仕様まわりなどをまとめて紹介
参考までに、“DualSense”(奥)と“DualSense Edge”を並べてみた。表面処理やカラーリング、素材の変更によって“DualSense Edge”のほうが高級感ある外見となっているが、サイズはほとんど変わらず、重さは若干、“DualSense Edge”のほうが重いくらい。しかし、握り心地、手の中に収めた感じはまったくと言っていいほど差がない。

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