1972年12月7日、アポロ17号の宇宙飛行士が撮影した地球。
NASA
- 人類が初めて宇宙から地球の姿を見たのは、1946年のことだった。
- それ以来「ザ・ブルー・マーブル」「地球の出」「ペイル・ブルー・ドット」など、地球の象徴的な画像が撮られている。
- ボイジャー1号が60億キロメートル離れた場所から撮影した写真は、これまでで最も遠くから地球を捉えたものだ。
宇宙から初めて捉えられた地球の姿は、地上からわずか105キロメートル上空で撮影されたものだった
初めて宇宙から撮影された地球の姿
U.S. Army White Sands Missile Range/Johns Hopkins Applied Physics Laboratory
スプートニク1号が打ち上げられる11年前の1946年10月24日、V-2ロケットに搭載された35ミリ映画用カメラによる画質の粗いモノクロ写真で地球が撮影された。これは、初めて宇宙から捉えられた地球の姿だ。
この写真は大気圏と宇宙空間の境となるカーマンラインよりも少し上の海抜高度105キロメートルのポイントから撮影された。ロケットに宇宙飛行士は搭乗しておらず、カメラが1.5秒ごとに自動でシャッターを切った。ロケットは地球に戻る際に計画通り地面に衝突したが、フィルムは無事に回収された。
高度724キロメートルの宇宙から初めて地上に電送された画像
タイロス1号が撮影した地球。
NASA
1960年4月1日、世界初の気象衛星、タイロス1号(TIROS-1:Television and InfraRed Observation Satellite)が宇宙から初めて地球の画像を電送した。それには地球が雲で覆われている様子がぼんやりと写っていた。
地球から2万9000キロメートルの距離から撮影された「ザ・ブルー・マーブル」
1972年12月7日にアポロ17号の宇宙飛行士によって撮影された地球。
NASA
「ザ・ブルーマーブル(青いビー玉)」は1972年12月7日、アポロ17号が月へ向かう際に宇宙飛行士によって撮影された。真っ暗な宇宙空間を背景に地球が鮮明に浮かび上がっており、アフリカ大陸やマダガスカル、アラビア半島、南極大陸が見える。
宇宙飛行士は「概観効果(overview effect)」を体験するという。これについてアメリカ航空宇宙局(NASA)は「上空から地球を見下ろすことで、宇宙飛行士の地球や生命に対する見方や考え方に変化が生じる」と説明している。
地球から28万キロメートル離れた月面で撮影された「地球の出」
月の地平線から昇った地球。
NASA
1968年12月24日、荒々しい月の表面から地球が顔を出す「地球の出(アースライズ)」を、アポロ8号の宇宙飛行士が目撃した。NASAによると、この写真を撮影したウィリアム・アンダース(William Anders)は、次の名言を残している。
「我々ははるばる月を探検しに来たが、最も重要なのは地球を発見したことだ」
オリオン宇宙船が43万キロメートルの彼方から捉えた地球と月
オリオン宇宙船の「自撮り」画像。
NASA
2022年11月28日、NASAはオリオン宇宙船の「自撮り」画像を公開した。それにはオリオンの後方に月と地球が写っていた。オリオンは地球から43万キロメートルという「有人飛行用に設計された宇宙船が到達した最遠距離」に到達しており、その付近でこの画像が撮影された。
NASAでは宇宙飛行士を月、そして最終的には火星に着陸させる「アルテミス計画」を進めており、その最初のミッションとなる「アルテミスI」でオリオンが打ち上げられた。
14億5000万キロメートル離れた土星から見た地球
2013年7月19日に撮影された、土星探査機カッシーニから見た地球と月。
NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
2013年7月19日、太陽が土星の後に入る食の間に、探査機カッシーニは土星から地球の方角にシャッターを切った。この日を記念して行われたイベントにちなみ、撮影された画像は「地球が微笑んだ日(The Day the Earth Smiled)」と呼ばれている。
この画像の撮影を発案したカッシーニ撮影チームのリーダー、キャロリン・ポルコ(Carolyn Porco)は、イベントに向けて開設されたウェブサイトで2013年6月にこう記している。
「地球に住むすべての人が、一斉に大きな声で宇宙に対する感謝を叫び、ずっと遠くにあるカメラに向かって大きな笑顔を向ける日になるといいと思った」
60億キロメートル彼方から撮影された「ペイル・ブルー・ドット」
かすかな点として太陽の光の筋に浮かぶ地球の姿。
NASA/JPL-Caltech
ボイジャー1号は1990年2月14日、太陽から約60億キロメートル離れたポイントから地球を撮影した。その画像は「ペイル・ブルー・ドット」と名付けられた。
散乱した太陽光線の筋に、地球がかすかな青い点となって浮かぶ象徴的な画像だ。これまでで最も離れた場所から撮影された地球の姿でもある。
「あの点をもう一度見てほしい。あれだ。あれが我が家だ。あれが我々だ」という名言を天文学者カール・セーガン(Carl Sagan)が残している。
からの記事と詳細 ( 宇宙から撮影された7枚の地球の写真…上空105キロメートルから60億キロメートルまで - Business Insider Japan )
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