チェン氏によると、当時ある「大手コンピューターメーカー」が、この曲を再生すると一部のノートPCがクラッシュする問題を発見したという。奇妙なことに、再生しているPCが壊れるだけでなく、その近くにある別のノートPCも壊れてしまったというのだ。このメーカーは、その後さらに、他社のPCでも同じように壊れてしまう問題があることを発見した。
調べてみると問題の原因は、この楽曲に含まれる特定の音が、ハードディスクドライブ(HDD)に共鳴して激しく振動を起こし、HDDをクラッシュさせてしまうことがわかった。テレビ番組でときどき、声でワイングラスを割る人が紹介されることがあるが、あれと同じ原理だ。またクラッシュしたHDDは、どれも同じメーカーの同じモデルだった。
本当にそんなことが起こりえるかと疑う人もいるかもしれないが、チェン氏はデータセンターでエンジニアのブライアン・カントリル氏がサーバーのHDDに向かって大声で叫び、HDDを壊す様子を撮影した動画を紹介している。大規模な例では、共鳴現象によって完成したばかりの吊り橋が大きく揺れはじめ、しまいには崩落する有名な映像を見たことがある人もいるだろう。
話を元に戻すと、チェン氏はノートPCのメーカーがその後、オーディオ再生の仕組みに問題となる周波数を検出し、除外する処理を追加して対策を施したと述べ、そのコードにはおそらく「サワルナ危険!」の警告を添付しているだろうと推測している。そして、あれから時が流れて、いまや現役では存在しないだろうHDDのために、不要な処理のコードが残ってしまっていないかを心配している。
Source: The Old New Thing(Microsoft)
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