今度こそ、ロケットロードを見せてくれ。
NASAは先週行なった会見で、スペース・ローンチ・システム(SLS)打ち上げの候補日を3つ提示しました。一番早いスケジュールだと、打ち上げは東部時間8月29日になるかもしれません。
長年にわたる延期、コスト超過、そして技術的なハードルを経て、ようやくアルテミス1ミッションは実現目前まで漕ぎつけたようです。アルテミス時代の第一陣となる同ミッションは、NASAのメガロケット「SLS」の初飛行となりますが、それだけではありません。ロケットは無人の宇宙船「オリオン」を、月には着陸させず周回させる27万2000マイル(43万7000km)の旅へと送り出します。そしてオリオンは復路では地球の大気圏への再突入に耐え抜き、パラシュートを展開し、着水を成功させなくてはなりません。
会見が行なわれたのはアポロ11号の月面着陸から53周年となった日で、NASA高官らは、大いに待ち望まれている打ち上げのタイミングに関する詳細を発表しました。NASA探査システム開発ミッション本部のJim Free副本部長は、「(東部時間の)8月29日、9月2日、9月5日にわたる候補日がある」と発言。もちろん、気候が許せばの話です。Free副本部長は、日程は「当局の確約ではない」として、正式発表は候補日の1週間前に行なわれる飛行準備完了審査後になるだろうと語っていました。「とはいえ、これらはチームが目標としている日程だ」と補足。
確かに地上チームはこの数週間、初の打ち上げに備えて一生懸命働いています。230億ドルのメガロケットは4度目となったウェットドレスリハーサル(WDR、ロケットに推進剤を充填して地上チームがカウントダウンを行うテスト)の後、スペースシャトル組立棟(VAB)に運び戻されました。リハーサルは完璧ではありませんでしたが、地上チームは結果に十分満足したようで、SLSを最終調整などのためにVABに戻したのでした。
NASAの上級ビークル・オペレーション・マネジャーのCliff Langham氏は報道陣に、厄介な水素漏れは修繕されて現在は追加検査を待っていると報告。緩くなっていたアンビリカルプレートもきつく締められ、検査の準備が整っていると語っていました。すべてが計画通りに進んで飛行準備完了審査がうまく行けば、SLSはVABを8月18日に出発して、ケネディ宇宙センターの39B発射台への短い旅を始めることになります。
3つの打ち上げ可能期間については、アルテミス・ミッション・マネジャーのMike Sarafin氏が具体的な話をしてくれました。
- 8月29日(月)のウィンドウは東部時間午前8時33分からの2時間。この長期ミッションは42日間に及んで10月10日に終了。
- 9月2日(金)のウィンドウも開くのは2時間だけど、東部時間午後12時48分スタート。このミッションは39日間に及んで10月11日に着水。
- 9月5日(月)のウィンドウは東部時間午後5時12分に開始して、90分間開かれる。このミッションは42日間に及んで10月17日に終了。
ひとたび宇宙空間に出たら、オリオンは推進装置を4度噴射させて月の周りの逆行する軌道に到達します。そしてもう1度噴射させて地球に戻る軌道に乗るとのこと。船内には、振動と宇宙放射線への曝露にかかわる貴重なデータを収集するため、3体のマネキンが搭乗します。チームは、あらゆるミッションフェーズにおける全システムの完全なデモンストレーションを行なおうとしています。リカバリーチームが着水後のオリオン乗員モジュールを回収し、技術者たちが宇宙船を検査してデータレコーダーを回収します。オリオンのヒートシールドの徹底解析も、このミッションの鍵です。
ミッションが成功すれば、人間が乗船する以外はほとんどアルテミス1の繰り返しであるアルテミス2への道が開かれるでしょう。万事順調なら、アルテミス2は早くて2024年に実現する可能性もあります。
Source: Spacenews,
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