サイズは222(W)×276(D)×176(H)mmのキューブ型PC
フォームファクターにMini-ITXを採用することで、一般的なミニタワーPCの約半分という容積を実現したサイコムの小型PC、それが「Radiant SIX3100B660」だ。サイズは222(W)×276(D)×176(H)mmのキューブ型で、ビデオカードを搭載すればゲーミングPCにもなる。
小型PCは内部スペースが狭く、どうしてもPCケース内のケーブルがぐちゃぐちゃになりがちだ。しかし、モジュラー式の電源ユニットを採用しているほか、サイコムらしい熟練のケーブリングで意外にもスッキリとした組み上がりになっている、という点は前回お伝えした通りだ。
PCケース内がスッキリしていると見た目に美しいだけではなく、しっかりとしたエアフローを確保できるので、熱が内部にこもりにくくなる。つまり、性能低下を未然に防げるようになるというメリットがあるわけだ。熱が問題になりやすい小型PCでは、こういったスペックシートからは見えない部分の完成度が重要となる。
今回は、定番ベンチマークソフトでその性能をチェックしていこう。なお、試用したPCは標準構成からアップグレードしている。ポイントはCPUにCore i5-12400、ビデオカードにGeForce RTX 3050搭載モデルを採用していること。スペックだけで言えば、PCゲームを快適に遊べる構成になっているはずだが、果たして……。
標準構成の主なスペック | 試用機の主なスペック | |
CPU | インテル「Core i3-12100」(4コア/8スレッド、最大4.3GHz) | インテル「Core i5-12400」(6コア/12スレッド、最大4.4GHz) |
CPU クーラー |
インテル純正CPUクーラー(空冷、トップフロー) | Noctua「NH-L9i-17xx」(空冷、92mmファン、トップフロー) |
マザー ボード |
ASRock「B660M-ITX/ac」(インテルB660、Mini-ITX) | |
メモリー | 8GB、DDR4-3200<メジャーチップ・8層基板> | 8GB×2、DDR4-3200<メジャーチップ・8層基板> |
ストレージ | Crucial「BX500 CT480BX500SSD1」(480GB 2.5インチSSD、SATA 3.0、システムドライブ) | |
グラフィック | インテルUHDグラフィックス730(CPU内蔵GPU) | MSI「GeForce RTX 3050 AERO ITX」(GeForce RTX 3050、8GB GDDR6) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ、SATA、スリム型 | |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST30SF」(300W、80 PLUS BRONZE、SFX) | SilverStone「SST-SX700-G」(700W、80 PLUS GOLD、SFX) |
PCケース | SilverStone「SST-SG05B」(Mini-ITX、キューブ) | |
OS | Microsoft「Windows 10 Home 64bit」 | |
直販価格(2022年5月20日時点) | 10万2230円 | 20万870円 |
CPU性能は期待通り!熱による速度低下もナシ
まずは気になるCPU性能から検証する。Core i5-12400は第12世代インテルCoreプロセッサー(以下、第12世代Core)のミドルレンジモデル。2022年1月に発売した最新世代のCPUで、6コア/12スレッド仕様だ。
まずはCGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれる、定番ベンチマークソフト「CINEBENCH R23」。結果は「pts」という単位の独自スコアーで表示し、この数値が高ければ高いほど高性能なCPUとなる。
なお、テストはすべての論理コアを使う「Multi Core」と、1つだけ使う「Single Core」の2種類。テスト条件はデフォルトのまま(10分以上動作)で行っている。
結果はMulti Coreが12381pts、Single Coreが1721pts。過去データと比較しても遜色ない妥当なスコアーだったので、熱による性能低下はないようでひと安心。また、Single Coreは競合CPUの第4世代Ryzenシリーズのハイエンドモデル(1500~1600pts)と比べても高いので、ゲームなどの少数スレッド動作時の性能がモノを言うアプリではかなりハイレベルな成績とも言える。
今回の構成では、CPUクーラーにNoctuaの「NH-L9i-17xx」を採用している。低背でありながら冷却性能に優れた製品のため、こういった小型PC用としては定番となっているものだ。
モニタリングソフト「HWiNFO64 Pro」で確認してみたところ、CPUの温度は最高で90度まで上昇していた。ダイの許容温度の100度まではまだ余裕がある。Core i5-12400はProcessor Base Powerが65W、Maximum Turbo Powerが117W。この程度の熱設計仕様であれば、キューブ型PCケースでも十分冷やせることがわかった。
次は「PCMark 10」で総合性能をチェックしてみよう。多数のソフトを実際に動かして性能を評価するベンチマークソフトだ。総合スコアーだけではなく、ウェブブラウザーやビデオ会議性能を見る「Essentials」、オフィスソフトの速度を見る「Productivity」、動画や写真編集といったクリエイティブ用途を見る「Digital Content Creation」といったテストグループごとのサブスコアーも確認できる。
上位モデルにCore i7やCore i9があるため、Core i5というと性能があまり高くないように感じてしまう。しかし実際は、よほど処理が重たい用途……例えば4K動画編集、機械学習、科学計算といったものでない限りは十分なことがほとんど。PCMark 10の総合スコアーは7000を超えており、ハイエンドPCと比べても見劣りしない性能になっていた。
からの記事と詳細 ( 小型PCだと性能低下が心配?Core i5-12400&RTX 3050のRadiant SIX3100B660なら大丈夫 (1/3) - ASCII.jp )
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