Zoom会議にしてもYouTube録画にしてもPodCast録音にしても、自分の声に自信がないと気後れしがちです。もっといい声を出せるようになりたい。恥ずかしいと思わないようになりたい。そんな皆さまへ。自分の声のクオリティを高めるための手段は3つあります。1つはボイトレに通う。1つは「アメンボ赤いなアイウエオ」と 北原白秋の五十音を唱えて発声練習・滑舌トレーニングにいそしむ。もう1つは良質なマイクを使うこと、です。
ボイトレに通うというのは地域によって難しいため、発声練習・滑舌トレーニングを行いながらも良質なマイクを使うという手段がオススメです。
実際にマイクを導入するとしたら、どんなマイクを使うといいのでしょうか。
ボーカル録音などに使われるマイクが気になる方もいるでしょう。しかし従来のマイクをPCのマイク入力端子とつなげると声にノイズが入ったり、そもそも声が録れないことがあります。別途、XLR端子を持つオーディオインターフェースや、USBミキサーがあってこそ、アーティストがレコーディング時に使っているマイクが活用できると考えてください。つまり、かなりのコストがかかります。
そこで注目したいのが、USB接続が可能なマイクです。マイクの中にオーディオインターフェースの機能が入っており、USBケーブルでPCと接続するだけでほぼセッティング完了。扱いがとても簡単なんですね。
このUSBマイクのカテゴリで注目されているのが、Ankerの「Anker PowerCast M300」です。6980円と安価な製品ですが、実際のクオリティはどうでしょうか。実機をお借りして確かめてみました。
Anker PowerCast M300(Amazon)フィジカルなボリウムがついたUSBマイク
24bit/96kHzのオーディオインターフェースが組み込まれているとは思えないほど、小型軽量です。パンチングメタルのポップガードの中には、16mmのコンデンサーマイクユニットが組み込まれています。マイク本体の真上方面から入ってくる音を中心に集音する単一指向性。卓上に置くマイクで一人の声だけを録るのであれば、この方式がベストでしょう。
ボリウムを回すとゲインが変えられます。自動的に音割れがしにくい大きさで落ち着くゲインコントロール機能があるため、ボリウムを勢いよく回しすぎても大丈夫です。
マイク本体をしっかりと支えてくれるスタンド
卓上におけるマイクスタンドベースプレートが付属します。そこまで重くないのですが、マイク本体が軽量なため安定感は高め。
マイクアームとの接続部はボールジョイントとなっており、前後左右自由な方向に微調整が可能。マイクアームは仰俯角がつけられるため、卓上設置であってもボールジョイントと合わせて口元に向けるのが簡単です。
またマイクアームのネジ穴は5/8インチ。マイクホルダー用としてポピュラーなサイズで、社外品のマイクブームなどに装着可能。上側から吊り下げるセッティングも可能です。
マイクのモードがわかるLEDライト
マイク本体の底部および胴部のスリットにはRGB LEDが組み込まれています。底面部のLEDは同じく底面部にあるRGBボタンで発色を変えられますが、周囲の音に連動して光るといった機能はありません。またRGBボタンを長押しすることで、底面部のLEDを消灯できます。
胴にあるLEDはマイクおよびボリウムのモードを示すもの。起動時は青く光り、ボリウムでマイクのゲインが変更できます。ボリウムボタンを1回押すと赤く光り、ミュート状態に。2秒間推し続けると緑色に光り、ヘッドホン出力の音量を調整できます。
自分の声を確認できるヘッドホン端子
底面部には、録音中の音量を確かめられるモニター用のヘッドホン端子が備わります。PCにはオーディオインターフェースとして認識されるため、PC側で鳴らしている音楽なども一緒に聴くことが可能。カット編集し、SEを重ねた編集中の動画のアフレコにも適しています。
Anker PowerCast M300(Amazon)ソフトウェアでノイズ対策を
まずマイク本体側のヘッドホン端子にヘッドホンを装着して聞いてみました。すると入るわ入るわ、エアコンの音、猫用循環式給水器の音、部屋の外から入ってくる電車の音。声を録るという目的には不要なノイズが入りまくっています。単一指向性ではあるものの、部屋のなかで反響している音は入りますし、側面の音もそれなりに拾ってしまっています。
この現象は、ボーカルマイク&USBオーディオインターフェースを使うときにも起きることなので、Anker PowerCast M300が悪いというわけではありません。本来ならばレコーディングスタジオのように部屋をカスタムしないと、周囲のノイズや、余計な反響音にはなやまされがちなんですよね。
こんなときに役立つのがRTX Voice。NVIDIAのGPU(RTX世代だけではなく、GTX世代にも対応済み)を搭載したPCであれば、マイク音声のノイズリダクションを行ってくれるアプリです。またRadeonや、CPU内蔵GPUを使っているPCであってもOBS Studioを使うことでノイズリダクションが可能です。
実際にRTX Voiceを使えば問題は解決。クリア&クリーンな音を録ることができました。改めて録音した声を聴いてみると、音の傾向に差はあれど、1万円以上のボーカルマイクを使ったときのクオリティに近い。低域がこもらず、中域には太さがあり、高域がしっかりと伸びていく。これは立派です。6980円マイクの音とは思えない! 少し低域にインパクトが足りない気もしますが、これは女性の声を美しく録るためにチューニングした結果なのかも。
コスパに優れた良質なUSBマイク
空間内にただようノイズだけではなく、素のままで使うと、ミュートボタンやボリウムを回したときの音が入りがち。コンデンサマイクの繊細さが如実に現れているマイクです。OBSなどに組み込まれているノイズゲートの設定を詰めればかなり改善するため、良声、イケボを追求するならセッティングが欠かせません。
しかし一度設定してしまえば、次からはノイズに悩まされることはなくなりますし、Zoom会議のときに使うのであれば無セッティングのままでも大丈夫です。
改めて記しますが、6980円のUSBマイクとしてはかなり高いクオリティを持ちます。はじめてのUSBマイクとしてもオススメです。
Anker PowerCast M300(Amazon)からの記事と詳細 ( 6980円のマイクとは思えない実力のコンデンサマイク、「Anker PowerCast M300」レビュー - Engadget日本版 )
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科学&テクノロジー
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