国内男子ゴルフツアーの今季賞金シード選手が決まるカシオワールドオープンは25日、高知・Kochi黒潮CC(7335ヤード、パー72)で開幕する。現在ツアー最長23季連続賞金シード保持者の12年賞金王・藤田寛之(52=葛城GC)は23日、開催コースで練習。記録更新に挑む心境を語った。
シードは賞金ランク65位までで藤田は獲得賞金1120万47円の70位。65位小鯛竜也の1290万7436円とは170万7389円差あり、逆転には最低でも今大会単独21位(賞金177万円)が必要になる。藤田は「本当の意味でラストチャンスになっちゃいましたね。最近はチャンスをもらってるのに上にいけてないですし」と苦笑いを浮かべた。
過去にない低迷だった。統合シーズン前半と言える20年は日本シリーズJT杯8位などがあったが、21年は出場21戦で10位以内がない「年間トップ10なし」は97年の初シード奪取より前の94年以来のこと。藤田は原因を「いろいろある」とした上で、年齢的な問題に言及した。
「晴れの日って、ゴルフするのが楽しいじゃないですか。でも、曇り、小雨とかだと楽しくない。ちょっとあんな感じです。しかも雨は強くなるばかり」。体力の低下、視力も落ちる。賞金王を獲得した12年と同じ練習、トレーニング量をこなしているのに、どうしようもないものがある。
崖っぷちで臨む大会だ。今大会は過去出場19戦で最高7位を含むトップ10は3度。コースとの相性がいいとは言えない。逆に予選5位から45位で終わった前週ダンロップ・フェニックスは「僕はどちらかと言えばフェニックス派」と相性の良さを感じていただけに、もったいなかった。
「ツアープロとして賞金シードは純粋にシーズンの第1目標。そこに入りたい思いはあります。ただ、やることをやった上ならしょうがないかなと思ってみたり、でも、周りでサポートしてくれる方の思いに応えたい気持ちもあります」。
23季連続シードは自分と永久シードの片山晋呉だけだが、仮にシード奪取に失敗すれば、来季は「生涯獲得賞金25位以内」の特別シードを使う予定。大ベテランはジタバタせず、きっちり戦うことだけを考える。【加藤裕一】
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