森保ジャパン初選出の谷口にとって、A代表招集は2017年12月のE-1選手権以来3年半ぶり。欧州組も交えたフルメンバーの活動に参加するのは、プロ2年目にして初招集を受けた15年6月以来6年ぶりとなった。17年のJリーグ初制覇以降、川崎Fに数多くのタイトルをもたらしてきた主将だが、日の丸からは長らく遠ざかっていた。
そんな中でも谷口は、代表の舞台を見据えながらレベルアップすることを意識してきたという。
「チームの結果としてはタイトルを取れていて、その中で自分もコンスタントに試合に出ながら、高いパフォーマンスを出すことを心がけてやっていた。そこと代表がつながってこないと本当の充実感、達成感は得られないと感じながらも、できることを地道にやりながら、課題を見つめながらやってきた」。
「Jリーグと国際試合は多少違うし、戦い方も違う。サッカーのスタイルも違う。チームとして合わせるところと、個人としてできる能力をどんどん上げていかないと代表には入って来られないと感じながらやっていた。Jリーグでもそういうところは意識してやれる環境にあると思うので、自分なりにやってきた」。
そう力強い言葉を口にした29歳は「そうしてやってきた結果、また呼んでもらうことができたので、やってきたことを信じて臨みたい」と意気込んでいる。
谷口自身も「五輪のほうに吉田選手、冨安選手が参加するのでふた枠空いて入れてもらったかなというのが正直な気持ち」と語ったように、今回の招集はイレギュラーでもある。それでも、またとないチャンス。「これくらいできるというのをトレーニングやゲームで証明していかないといけない。数少ないチャンスだと思うので、このチャンスを活かしたい」と代表での生き残りに全力を注ぐ構えだ。
代表での未来を見据えるからには、吉田や冨安との競争にも果敢に挑む。「2人の壁は高いなというのはテレビで代表戦を見ていればわかることだけど、2人の陰に甘んじているようじゃだめだと思う。もっともっと日本のCBで戦える選手が出てこないとだめだし、自分もそういう選手になりたい。2人を脅かすプレーをしないといけない」。今回の活動で与えられるチャンスは4試合。Jリーグを代表するDFがその真価を見せつける。
(取材・文 竹内達也)
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