CoolerMasterの「COSMOS C700M」を採用、ASUS STRIXシリーズのRTX 3080を搭載
2021年05月29日 12時00分更新
CPUが高性能化を遂げる中、頭を悩ます問題がその冷却方法だ。最近は、簡易水冷クーラーの普及が進んでおり、実際に使っている人も多いのではないだろうか。そんな簡易水冷クーラーにペルチェ素子を組み込んだ、Cooler Masterの「MASTERLIQUID ML360 SUB-ZERO」(以下、ML360 SUB-ZERO)が登場した。
ML360 SUB-ZEROは、インテルの「Intel Cryo Cooling Technology」に基づいたクーラーなのだが、早速採用したゲーミング向けBTOパソコン「ZEFT G32-ZERO」も、パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンから発売された。では、ZEFT G32-ZEROはどのようなマシンなのか。まずは、その仕様を詳しく見て行こう。
Core i9-11900Kにペルチェ素子搭載クーラーを採用
ビデオカードはGeForce RTX 3800搭載のSTRIXシリーズ
ZEFT G32-ZEROは、CPUに第11世代Coreプロセッサーの「Core i9-11900K」(以下、i9-11900K)を採用。このi9-11900Kは、10コア/20スレッドタイプのCPUで、高性能である半面、10nmプロセスのものを14nmプロセスに再設計したという経緯により、消費電力も高くなってしまっているのがネックとなっている。
そこで、活きてくるのがML360 SUB-ZEROだ。このML360 SUB-ZEROは、ペルチェ素子を組み込んだ簡易水冷クーラーで、電力を加えることでペルチェ素子により室温以下にまでCPUを冷却することが可能になっている。天板に装着されたラジエーターは360mmクラスで、ペルチェ素子を使用せずに簡易水冷クーラーとしても使っても、十分な冷却性能を備えたモデルだ。
ただ、ペルチェ素子を搭載する都合上、ポンプ部分が別ユニットとなっており、従来の簡易水冷クーラーよりは若干大掛かりになっている。
そして、ペルチェ素子を利用するためには、Intel Cryo Cooling Technologyというアプリケーションが用意されており、そこから「Stanby」「Cryo」「Unregulated」の3つの動作モードに変更できる。Stanbyはペルチェ素子がオフになるモードで、Cryoを選ぶことでペルチェ素子が動作する。Unregulatedは、さらにペルチェ素子の効果を高めたモードで、結露する場合もあり得るので使用するには注意が必要だ。ちなみに、「3DMark」(Version 2.18.7185)のTime SpyにあるCPU testを30分間連続実行した時点のCPUの温度を見てみると、Cryoで67℃、Unregulatedで55℃と、ペルチェ素子の効果を確認できた。
一方、ビデオスカードには「GeForce RTX 3080」を搭載したASUSの「ROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMING」を採用。定評あるSTRIXシリーズのハイエンドモデルで、ブーストクロックは最大で1935MHzと、リファレンスの1710MHzから225MHzも引き上げられたオーバークロックモデルで、ゲームにおいて高いパフォーマンスが期待できる。
マザーボードも同じASUS製でZ590チップセットを搭載した「ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI」を採用。2.5GbE対応の有線LANと、Wi-Fi 6に対応した無線LANと、高速なネットワーク機能を装備。メインメモリーはDDR4-3200を32GB搭載しており、ゲーミング用途では十分な容量だ。さらに、ストレージにはM.2タイプのSSDであるSamsungのSSD 980 PROシリーズの1TB搭載。多くのゲームをインストールしたいユーザーにとっては、容量が足りなくなるということはまずないはず。さらに、SSDがPCI Express 4.0に対応し、少しも転送速度の向上が図られている点も見逃せないポイントだ。
ケースには、CoolerMasterの「COSMOS C700M」を採用。ケースサイズは大きいながらも、両サイドパネルに強化ガラス板を用いているほか、天板には荷重に耐えうる取っ手が用意されているなど、かなり特徴的なケースだ。前面にはType-Aが4つにType-Cが1つと、USBが5系統備わっている点もかなり使い勝手がいい。
そのほか、フロントパネルに天板、それに底面にも吸気孔が用意され、フロントパネルに3基の120mm角ファンを、背面には1基の140mm角ファンをそれぞれ搭載。内部のエアフローにはかなりの配慮がなされている。また、2.5/3.5インチシャドウベイが4つにSSDベイが4つと拡張性に富むほか、ケースが大きいため、内部空間もかなり広めに取られており、メンテナンス性も申し分ない。
電源ユニットには、ケース底面に置かれ、内部空間とは隔てられているため、電源ユニットのファンが内部空間のエアフローに影響を及ぼすことはない。その電源ユニットは、定格出力850WのCooler Master製「V850 Gold」を採用。80PLUS Gold認証を受けたモデルで、将来的なアップグレードを視野に入れても十分な容量といえる。
価格は52万2,280円と高価だが
唯一無二のマシンがほしい人には魅力的
以上のように、ZEFT G32-ZEROはかなりハイエンドな仕様に仕上がっている。そのゆえ、価格も52万2280円と高価。とはいえ、長期に渡って使い続けることができるトップエンドの仕様であり、ほかとは異なる唯一無二のマシンがほしいと考えるユーザーにとっては魅力的なモデルではないだろうか。気になるのは、そのパフォーマンスだが、別記事で実際にゲームをプレイし、そのポテンシャルに迫ってみたい。
CPU | Core i9-11900K(定格クロック3.5GHz、最大クロック5.3Hz、8コア/16スレッド、L3キャッシュ容量16MB) |
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CPUクーラー | Cooler Master MASTERLIQUID ML360 SUB-ZERO |
グラフィックス | ASUS ROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMING(GeForce RTX 3080) |
PCケース | Cooler Master COSMOS C700M |
マザーボード | ASUS ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI(Intel Z590チップセット) |
メモリー | 32GB PC4-25600(DDR4-3200 SDRAM、16GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD(Samsung SSD 980 PRO、PCIe 4.0) |
通信規格 | 2.5GbE LAN、Wi-Fi6/Blutooth5.0対応 |
電源ユニット | Cooler Master V850 Gold(定格出力850W、80PLUS Gold認証) |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
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