名刺代わりの一発だった。 4月28日のヤクルト対巨人戦。3回に巨人の新助っ人、ジャスティン・スモーク内野手が放った一打は、高々と舞い上がって神宮球場の右翼席上段に飛び込んでいった。 【貴重写真】17歳頃の菅野と原辰徳が超そっくり。ヤンチャそうな坂本&元木、投手だった岡本・丸に無名な頃の戸郷や秋広、イケメンな由伸、なぜか背番号11の桑田…名選手80人超の高校球児時代
3回無死。ヤクルト先発のアルバート・スアレス投手の初球のチェンジアップを完璧に捉えた打球に、右翼のドミンゴ・サンタナ外野手は一歩も動けなかった。完璧。まさに「打った瞬間」の本塁打だった。 「変化球にしっかりコンタクトできた。打てて嬉しいね」 来日初アーチ。それでも当のスモークはクールに振り返った。本物のメジャーのパワーを見せつけた
メジャー通算196本塁打。トロント・ブルージェイズ時代の2017年にはシーズン38本塁打を放った長距離砲の実績もある。 個人的に印象に残っているのはシアトル・マリナーズ時代の2012年、イチローの凱旋試合となったマリナーズとオークランド・アスレチックスとの日本での開幕シリーズ。その試合で当時、まだまだ全盛期だったアスレチックスのエース、バートロ・コロン投手から放った本塁打だった。 決して会心の一撃ではなかった。むしろ擦って逆方向にフラフラっと上がったような打球に見えた。それでもそんな当たりで東京ドームの左翼席まで運んでしまった。 擦ってもスタンドに入る――それはこの選手の持つ本物のメジャーのパワーを、見せつけた一発でもあった訳だ。 そして来日6打席目に放った飛距離十分の一発。これもまたこのスイッチヒッターが、改めて“本物”であることの証でもあった。 「そうですね。やっぱり対応力というかね、非常にありますね」 一発ばかりでなく本塁打の後も右前安打に左翼への二塁打と3安打の猛打賞に、試合後の原監督のコメントは控えめだった。
原監督「やっぱり外国人の差はかなりあると思う」
コロナ禍で戦線離脱していた丸佳浩外野手にゼラス・ウィーラー、中島宏之、若林晃弘の3人の内野手も復帰した。さらに新助っ人の加入。もう1人の助っ人、エリック・テームズ外野手が、初出場のヤクルト戦でいきなり右アキレス腱を断裂。今季絶望となるアクシデントはあったが、それでも打線はようやくフルメンバーが揃ってきた。そうして原監督の大目標に向かって、今季のチームがいよいよ静かに動き出したということだ。 「やっぱり外国人の差はかなりあると思う」 指揮官がこう分析したのは、昨年の日本シリーズ、いやこの2年間でソフトバンクに喫した8連敗の屈辱を振り返ったときだった。 「ここのところのジャイアンツには、本当の意味でのパワーヒッターの外国人がいなかった。去年の途中からウィーラーが頑張ってくれたけど、彼だって本当の意味でのパワーヒッターじゃない。でもソフトバンクには2人、本当のパワーヒッターがいましたよね。彼らがいることで、ソフトバンクの打線にはいい相乗効果がある。 我々もそういう外国人を最低でも1人、本音を言えば2人入れたい。そのパワーヒッターが入れば相乗的に岡本(和真内野手)にしても、丸にしても、坂本(勇人内野手)にしても、また違った形で上がっていくと思います」 その1人がスモークだった訳だ。 ソフトバンクと巨人の外国人選手のパワーの差を痛切に感じたのは2年前、2019年の日本シリーズだった。 第1戦。巨人は2回に指名打者に入った阿部慎之助捕手(現二軍監督)がソフトバンク先発の千賀滉大投手から右翼席に先制ソロ。続く大城卓三捕手が歩いた1死一塁で打席に入ったのがアレックス・ゲレーロ外野手だった。しかしこの場面でゲレーロは千賀の真っ直ぐに完全に力負け。どん詰まりの左飛に倒れて、巨人は一気呵成に畳み掛けることができなかった。
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