2012年を最後に日本一から遠ざかり、交流戦でも劣勢が続く。巨人が出場した19、20年の日本シリーズはいずれも0勝4敗。セ・リーグの凋落が叫ばれるが、本当にセとパの力の差はあるのだろうか。
固定観念とは逆かもしれない
この2年の日本シリーズの惨敗は、ソフトバンクと巨人の入り方の差もある。2020年は10、11月と巨人は13勝18敗4分で閉幕、対してソフトンバンクは27勝6敗1分(CS含む)、19年も、9.10月の巨人は12勝14敗0分、ソフトバンクは18勝10敗1分だ(いずれもCS含む)。それも含め、チームの強さではあるが、勢いに乗って入ってきたソフトバンクと、下り坂の巨人の差がはっきり出てしまった結果とも言える。 もちろん、長期にわたり日本シリーズ、交流戦ともセがパに対し、劣勢となっているのは歴然とした事実だ。両者の差でよく言われるのが、パのほうが投手の球が速く、打者は強いスイングをする“イケイケ度”の高い野球で、セはデータに基づいた細かい野球という色分けだ。 確かに19年であればセのほうが犠打は多く(25差)、パは本塁打が多くと(14差)、その傾向を裏付ける数字もあるが、20年は犠打はパのほうが多く、本塁打はセのほうが多いと逆転(以下【表1】)。打率も高い。ほかを見てもパは四球が多く、三振、併殺打は少ない。ファーストストライクからの打席数(ヒット、アウトの結果が出たもの)、打率も調べたが、むしろセの打席数のほうが多く、イケイケは逆とも言える。
ただ、走塁はパのほうがアグレッシブだ。併殺打は16年からの5シーズンですべてパが少なく、盗塁数はすべてパが上。特に盗塁数は、20年であれば120試合でありながら107も上回っている。 投手は完投の多いセとセーブ、ホールドポイント(HP)とも多いパとなる。先発が好調なら長いイニングを投げさせるセと、どんどん好調な投手をつぎ込むパの差があるだろう。死球の多さと故意四球の少なさ(セが152、パが77)からパの投手のほうが攻めているのを感じる。 併殺数などは投手が打席に入ることで増えている面もあり、DHがあれば打席を考えなくていいので、投手交代が円滑にいくのも間違ないだろう。投手の打席がどう影響するかは八、九番の打撃成績【表2】を見ると分かりやすい。八番はセのほうが上だが、九番はセがかなり低い。しかもホームラン数ではセの34本に対し、パは74本。パのほうが全体の本塁打数が少ないことを考えれば、より打線として“途切れなく、つながっている”ことが想像できる。
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