ブランディングプランナーの細谷正人氏が新たな視点でブランディングデザインに斬り込み、先進企業に取材する連載「C2C時代のブランディングデザイン」。カプセルホテル業界にデザインで新風を吹き込んだナインアワーズ(東京・千代田)を取り上げます。今回はインタビュー編。
<前回(第31回 花王がMyKireiで推進する生活者の行動変容を促すブランド)はこちら>
油井 啓祐(ゆい けいすけ)氏
ナインアワーズ代表取締役 Founder
1970年横浜生まれ。関西学院大学商学部を卒業後、ジャフコ入社、IT専門投資チームに所属。99年に亡父が経営していた会社を相続してカプセルホテル業に従事し始める。店舗を改革して業績回復させる一方で、2005年から新しいカテゴリーの事業開発に取り組む。09年にその1号店となる「ナインアワーズ京都」を出店。13年にナインアワーズを法人設立して店舗展開を本格化。現在はナインアワーズの出店と並行して同業者の再生支援も行っている。
細谷 油井さんは今までのカプセルホテルのイメージを大きく変えました。単なる「寝床」ではなく、カプセルが人間にとっての、いわばミニマムな空間であり、それが都市の中に調和しながら置かれています。デザイナーの柴田文江さんや廣村正彰さん、中村隆秋さん、建築家の平田晃久さんや芦沢啓治さん、成瀬友梨さんと猪熊純さん、長坂常さんの参加により、デザインの面でも他のカプセルホテルと一線を画しています。事業をスタートする際、油井さんにはもともと、どんなイメージがあったのでしょうか。
油井 都市の生活における本当の豊かさとは何だろうと、ずっと考えていましたね。一般のホテルやビジネスホテルに比べ、カプセルホテルはワンランク下に見られてきたと思います。でもビジネスホテルの中にも、狭い部屋にいろいろなものが詰め込まれ、決して豊かな空間とは言えないケースもあります。だから、都市の中で短時間の使用に絞って豊かに過ごせるような、新しいカテゴリーをつくろうと考えたのです。
背景にあるのは、東京・秋葉原で僕の父が1軒のカプセルホテルを経営していたことでした。突然、亡くなって僕が相続することになりました。来ているお客さまを見ていると、滞在時間はせいぜい10時間ぐらい。家に帰れず、翌朝すぐに出ていく人たちです。そういう状況に応じた、ちょうどいいサービスを提供できれば、都市の生活の中で本当の豊かさにつながるんじゃないかと。それは今も変わらない姿勢です。
だからカプセルホテルに滞在する時間、すなわち1時間のシャワーと7時間の睡眠、1時間の身支度で合計9時間の“ナインアワーズ”に機能を特化した宿泊サービスを提供することで、豊かさを体験してもらおうとしたのです。ナインアワーズは内部に飲食などの機能を持っていません。それは周囲の都市に同じような機能があるからです。
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September 24, 2020 at 01:06PM
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