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Tuesday, July 14, 2020

韓国大統領の有力候補、ソウル市長が自殺に追い込まれた本当の理由(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

 韓国の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が7月10日、市内の山中で遺体として発見され、その後、韓国警察により自殺と断定された。次期大統領の有力候補であった朴氏は、なぜ自殺しなければならなかったのか。(国際政治評論家・翻訳家 白川 司) ● 「ポスト文在寅」と 目されていた朴市長  元秘書女性から「2017年からセクハラの被害を受けてきた」と告訴された朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が、その2日後の7月10日に亡くなったことが報じられて、韓国社会に衝撃が走った。  朴市長は告訴された翌日の7月9日の公務をすべてキャンセルして、遺書らしきメッセージを家族に残して失踪。ソウル市内の山中で遺体として発見された。韓国警察は自殺と断定した。ソウル市の運営は徐正協(ソ・ジョンヒョプ)副市長が来年4月の補欠選挙まで受け持つこととなった。  朴市長は文在寅大統領の「共に民主党」に所属し、人権弁護士として名をはせた市民運動家出身の政治家である。

 朴氏の名前を世に知らしめたのが、1993年の「ソウル大学ウ助教セクハラ事件」である。この事件はソウル大学に勤める女性の助教が、教授から受けていたセクハラを訴えたもの。朴氏はその弁護を無料で引き受けて、6年もの法廷闘争の末勝訴を勝ち取った。これは韓国で初めてセクハラ被害が認められた契機となった。朴氏は韓国社会に「セクハラ」の概念を普及させた功労者だったわけである。  その後、朴氏はフェミニズムに理解のある人権派弁護士として名を成し、女性団体などから熱烈な支持を受けたことが、現在までの出世に寄与したといえるだろう。  ソウル市長は、韓国では大統領に次ぐ重職だと考えられている。ソウル市長から大統領になった人物としては李明博(イ・ミョンバク)氏がいるが、朴市長もポスト文在寅の有力候補だと目されていた人物だった。  朴市長は2011年からソウル市長に就任しており、今期で3期目。弱者救済や環境保護の観点からの政策をいくつも実現して、評価は高かった。本人が大統領職に対して公に意欲を示したことはなかったようだが、「次は大統領選挙に出るだろう」と思っていた人は多く、与党内での支持もあった。 ● #MeToo運動が 盛り上がる韓国  アメリカ発の#MeToo運動が世界的な盛り上がりを見せたが、アジア圏でも例外的なほどの盛り上がりを見せたのが韓国だった。  #MeToo運動は、セクハラやパワハラに声を上げられない女性が、勇気ある女性の発言に追随する形で被害を告発して、社会を変えていこうという運動である。なかなか声を上げることができない弱い立場にある女性のための連帯運動だと言っていいだろう。  典型的には、ツイッターでセクハラ被害を告白した投稿に対して、自分も同じような経験したことを#MeTooというハッシュタグでリツイートして、自らの被害も告白するという形になる。

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