新型コロナウイルスについて、さまざまな情報が飛び交うなか、あるイラスト図解が「わかりやすい!」とSNS上で話題になっています。描いたのは、「生きもの図解シリーズ」などをてがける人気イラストレーターぬまがさワタリさん。
ウイルスの特徴や感染のメカニズムについて、ユーモラスに描いたその図解を見ると、新型コロナウイルスのこと、いま求められている「自粛」や「お願い」が、なぜ必要なのかがよくわかります。
そこで今回、病理専門医で米国国立研究機関博士研究員の峰宗太郎先生に監修していただき、ぬまがささんのイラスト図解をご紹介していきます。
※本記事内のイラストは、4月9日にぬまがささんが発表したものに峰先生監修の元で最新情報をふまえ加筆いただいた「ver.1.1」を掲載しています。
敵を知る。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは?
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」といったのは孫子ですが、相手と自分のことを知るのは戦略の基本です。ぬまがささんのイラスト図解でも、まず、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは何か? を解説しています。ここではとくに、次の3つのポイントをおさえておきましょう。
1)ウイルスはめっちゃ小さいということ。新型コロナウイルスの大きさは約100ナノメートルで1円玉の20万分の1の大きさだそうです。
2)ウイルスは他の生物を利用しないと増殖できないということ。だからこそ、感染して広がるわけですが、逆にいえば、それしか増える手立てがない、ということでもあります。
3)新型コロナウイルス表面は「エンベロープ」という脂質(あぶら)に覆われているということ。エンベロープという言葉は忘れても大丈夫です。「殻(から)があぶら」とだけ覚えておいてください。
感染経路と予防策「これがやつらのやりくちだ!」
新型コロナウイルスの感染経路は、おもに「飛沫感染」と「接触感染」。「空気感染」はほぼ起こっていないと考えられているそうです。一時期、「エアロゾル感染」という言葉がワイドショーを賑わせましたが、エアロゾル感染は空気感染とは別物で、ほぼ飛沫感染と同じだとか。
せきやくしゃみをしたときに出る「飛沫」――しぶきにウイルスが含まれていて、それを吸い込むことで感染してしまうため、「咳エチケット」に気をつけて、密閉・密集・密接の「3密」を避けましょう、というわけです。
しかし、しぶきはせきやくしゃみだけでなく、普通に会話をしていても飛びます。オープンエアの密閉ではない空間だとしても、人と近づいてのおしゃべりや歌、ジョギングなどの激しい息づかいでも感染のリスクがあるそうです。
また、ウイルスのついたものに触った手で、口や目、鼻を触ってしまうことで感染するのが「接触感染」。わたしたちは思っている以上に目や口を無意識に触っています。ドアノブやエレベーターのボタンなど、なにげなく触れたものにウイルスがついていると感染するリスクに。
大切なのは、ものの“タッチ”に意識的になること。とくに、子どもたちは階段や廊下のてすりなど、目についたものをペタペタと触りがち。公園の遊具やスーパーの商品など、不特定多数の人が触れるものを、やたら触らないようにしましょう。
マスクの“予防”効果についてはいろいろ言われていますが、飛沫感染のリスクを下げることに加え、手で直接、口や鼻を触れないようにする効果もありそうです。
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