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Sunday, March 8, 2020

[インタビュー]「新天地の本当の問題は“詐欺伝導”で不信の社会を作ったこと」(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース

韓国カトリック類似宗教対策委員長 イ・クムジェ神父

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって「新天地イエス教証しの幕屋聖殿教会」(新天地)に関心が集中している。何よりも、教会で何をどのようにしてウイルスがあれほど急激に伝播したのか、どうして新興宗教があれほど急成長できたのか、わからないことが多い。

 過去10年間“新天地”を研究し、昨年9月に『新天地ファクトチェック』(パウロタル編)という本まで出したイ・クムジェ神父と電話インタビューを通じて疑問を解いてみた。カトリック全州教区の家庭司牧局所属のイ神父は、2017年から韓国カトリック類似宗教対策委員会委員長を受け持っている。イ神父は10年前、「新天地にはまった娘を救ってほしい」という教友の依頼を受けて、その後も何度か同じ要請を受けて教友を“脱新天地”させる過程で新天地を深く研究することになったと話した。

昨年『新天地ファクトチェック』を出した専門家
教友の“救助”要請で10年間研究
パク・テソン、ユ・ジェヨル、ペク・マンボンを経てイ・マンヒ
「異端の指摘に対抗し教理を自家発展」
「世襲・競争・不安で青年層に食い込む」
「物質万能社会を作った既成世代により多くの責任」

 「新天地のルーツはパク・テソンの伝導館に遡る。イ・マンヒ(新天地総会長)は、信仰村で10年間の信仰生活をして、ユ・ジェヨル(オリン・チョン)が京畿道果川(クァチョン)に作った「証しの幕屋聖殿」に入り、2年以上を過ごし、再び“時限付き終末論者”のペク・マンボンの下にいたが、1980年8月14日に安養(アニャン)で“新天地”を始めた。“新天地”は、今がヨハネの黙示録の時代であり、ヨハネの黙示録でイエス様が新しい牧者を送るといったが、それこそがイ・マンヒだと主張する。教理の内容は、既存の新興教団らと大同小異だったが、既成教団らと争う過程でもっともらしい形に変わった」

 イ神父は「ある意味、新天地は異端カウンセラー(異端宗教にはまった人を既成キリスト教の道に導く人)たちが育てたといえる」と話す。異端カウンセラーが新天地の教理が聖書的に誤りだと指摘すると、すぐに対応し変更を続け自己発展を試みたということだ。それで聖書や教理をよく知らない人々にとって、新天地の徹底した教育は驚異的だという。

 「新天地は、最初は一対一、あるいは少数のグループで12~13回にわたり聖書の基礎を固める勉強をする。初めて勉強する人々の隣には、同じ新参者を偽装したさくらがつき、一緒に勉強しながらコントロールする。その後の6~8カ月間は月火木金に毎日3時間ずつの“小中高”課程の聖書勉強をした後に試験を受けて、90点以上をとればIDカードを発行し信徒として登録される。その後は“刈り取り”活動をする」

 イ神父は「新天地は小単位の点組織で構成され、常時携帯メールを交換し、常に管理する人がいて一人一人の日常を報告し指示を受け、日曜日と水曜日をはじめ休日や土曜にも暇を与えず教会の仕事に没頭させ、学生は学校に行ってもただ行くだけで、職場もただ月給を受け取るためにだけ通い、人生を新天地に没入させる」と話した。彼は「新天地教会で感染者が大量に出たのも、こうした閉鎖的な礼拝方式に起因するのだろう」と分析した。椅子に座る教会や聖堂とは違い、新天地では床に互いに密着して座り、拍手して“アーメン”を叫ぶので、身体接触や唾のしぶきが飛ぶ可能性が高いということだ。

 イ神父は「新天地の本当の問題は、不信の社会を助長していること」と指摘した。新天地の“刈り取り戦略”が、基本的に伝導対象者を偽りでだまし謀略伝導をするので“詐欺”だということだ。

 「新天地は、伝導対象者に対する情報を把握して、一人に3~4人から20人までが付く。彼らは各自の役割を定めておき、初めて会ったとか、偶然に会ったかのように偽装して、対象者と関係を結び、対象者が登山好きならば登山チームを、サッカーが好きならサッカーチームを作り、手作りが好きならば工房チームを作るという形で親密になる。文房具店を営んでいるために昼食を適時に食べられない対象者に6カ月にわたり弁当を作ってあげたり、孫の世話が大変なおばあさんとは1年間一緒に孫の面倒を見たりもした。そこまでして親しくなれば『私たちと聖書の勉強してみませんか』と誘ってさくらになる。また、青年たちの苦しみを利用して相談カフェで心理カウンセリングをし、傷と痛みを根本から治療できるのは神のお言葉だと言って、聖書の勉強に誘導する。すべてが“グルでやる花札賭博”なので、そこから抜け出すことは難しい」

 イ神父は「だから、何かを過度に一生懸命やっている人を見ると『君は新天地じゃないの?』と疑わなければならない社会になってしまった」と嘆いた。「日本でも“詐欺伝導”でエセ宗教にはまった人々が、後日『私の人生を返してほしい』として青春返還訴訟を起こしたことがある。韓国でもプロテスタントの青年3人が新天地を相手に同様の訴訟を起して、2人は証拠不充分で認定を受けられなかったが、1人は勝訴した」

 だがイ神父は、これほど多くの青年が新天地にはまったのは、既成の教団と韓国社会の責任が大きいと指摘した。

 「青年たちは、たとえイ・マンヒを信じなくとも、新天地で癒やしと安堵感を感じているようだ。韓国社会で生きていく希望を得られず不安だったのに、『まるで主人公になったかのように』持ち上げてくれるので幻想に陥ることになるということだ。既成の教団と巨大教会が物質的祝福・来世救援だけを追求する一方で、新天地は14万4千人の中に入りさえすれば、王様のような祭祀長になり、現世天国の主人公になり、栄光を享受して生きられるという現世救援論を展開する。世襲と競争社会から押し出されれば終わりだが、ここで14万4千人に選ばれさえすれば人生大当たりになるということなので、世間の論理を信仰にそのまま適用したものだ」

 イ神父は「お金があれば何でもきるという物質万能の社会を作り、青年に希望を与えられない既成世代が多くの若者を押し出したかたち」だとし「失敗しても夢が壊れない社会、信仰の中に真の喜びと愛がある社会、暖かくお互いを守りあう社会を作るべきということこそが、“新天地現象”が示してくれた教訓」だと話した。

チョ・ヒョン宗教専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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March 07, 2020 at 07:22PM
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