突然の一斉休校「要請」、短時間で打ち切られる会見…日本は新型コロナウイルス対策に際して、国のトップが国民に明確な説明を行っているようには見えない。一方フランスでは、危機が迫る中、マクロン大統領がテレビ演説で方針を語り、3000万を超える国民がリアルタイムで耳を傾けた。日本とかくも異なる、フランスの国家元首の説明責任とその伝統を追った。
視聴率86.6%の政府公式番組
3月16日、20時のフランス。番組途中で突然、テレビの画面がパッと切り替わった。国歌「ラ・マルセイエーズ」のオープニングとともに、大統領府エリゼ宮の正面が映し出される。「共和国大統領の宣言」の文字に続いて再び画面が切り替わると、エマニュエル・マクロン大統領が大写しで登場した。画面には他に誰もいない。間もなく、演説が始まった。
「フランス国民、私の親愛なる同胞の皆さん」
世界を激震させる新型コロナウイルスの脅威に対して、フランスはどう対処するのか。大統領がカメラ目線で話す。視聴者の一人一人に直接語りかけるように。
重要なのは、感染拡大の速度を可能な限り遅くすること。その1点をまず冒頭で強調し、「今我々がすべきこと」は「動かないこと」であると話を進める。続けて、そのために政府が取る対策を述べる。罰則付きの外出制限令、全国統一市町村首長選挙の延期、中小企業支援のための家賃・光熱費・各種税金徴収の一時停止、軍による臨時医療施設の建設、対策新法の特別国会審議……感染拡大と経済破綻を食い止めるための施策を、よどみない口調で次々と打ち出していく。
折々「私たちは戦争状態にある」の一節で、差し迫る危機感を挟み込んだ。そのまま目線を外すことなく約20分間を語り尽くすと、「共和国万歳、フランス万歳!」の定型句で、大統領は演説を終えた。
この模様は地上波の公共・民営テレビ、ネットテレビ、ラジオで一斉・同時にオンエアされ、視聴者はテレビだけで3530万人にのぼり、86.6%の視聴率を叩き出した。その4日前の3月12日、マクロン大統領は全国一斉休校と可能な限りのリモートワークを同様のテレビ演説で通達し、多くの視聴者(2200万人)を得たが、この日はそれを悠々と上回り、過去最高の驚異的な数値を記録した。
ここからのフランスの変化もまた、驚くべきものだった。関連の大臣・省庁が、大統領発言に基づく対策を続々と公表。外出時に携帯する申請書類のダウンロードリンクや、補償金申請の専用サイトが、数時間で整えられていく。状況を軽視し外出を続ける国民にも対策を遵守させるため、戒厳令下のような厳重さで警察・軍が出動した。各種報道機関は演説内の項目を主要トピックとして解説や取材を行い、それは数日経った今も続いている。
こうしてフランスでは街の動きも国民の暮らしも、全てが一変した。大統領演説の前と後で、はっきりと。まさに「鶴の一声」の勢いで、国家の現状が拡散・共有され、それに基づく対策が具現化されていったのだ。
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