「本当のこと」の価値が見直されている
行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび 2019 青森篇(JR東日本公式チャンネルより)
「インスタ映え」がユーキャン新語・流行語大賞に選ばれたのが2017年。「映え」「盛り」といったいわゆる鮮やかでフォトジェニックな場所やアイテムが人気を集めた。
一方で、この頃は逆の意味に近い「チル」という言葉も若い世代を中心に使われはじめていた。英語の“Chill Out”(落ち着く、リラックスする)を略したもので、「のんびりする」「まったり過ごす」を意味する。SNSでの “リア充”自慢合戦や自分の投稿に対する反応を気にするあまり、振り回され疲れ切ってしまった人々がそれほど多かったということだろう。
テレビCMなどの広告も、「企業にとって都合のいいことしか言わない」と捉えられがちで、ここ数年は飾り立てられた表現よりも「真実」が消費者の心をつかんでいるように感じる。また誰もが自由に情報を発信でき、フェイクニュースが飛び交う情報過多の現代では、「本当のこと」の価値がより高まっているようだ。
どんなCMが多くの共感を集めたのか?
2月前期(2020年1月20日~2月4日)のCM好感度上位作品を見ると、華やかに演出されたものよりも“非リア充”といった、ちょっと“残念な人”が登場するCMが多くの共感を集めていた。
2位のJR東日本『行くぜ、東北。キャンペーン』では石橋静河演じる女性が「♪好きな人に 好きな人がいたんです おぉ神様 こんな私にごほうびちょうだい」という歌に合わせて無表情でポンポンを振りながら路上で踊っているシーンで始まる。失恋してやけになりながらも、働く大人の女性として冷静に人通りが少ない裏通りを選んで気晴らししたつもりが、まんまと同僚の男性に目撃されてしまう。追い打ちをかけられたところに、「奥入瀬で待ってます」と天の声が聞こえるというストーリーだ。
頑張っているけれどうまくいかないと感じる人を通して、癒やしや気分転換としての東北旅行を提案している。調査モニターからは「苦労しているキャラクターを用いることでCMに対し共感した」「自暴自棄になっているところに神のような声が聞こえ、ハッとする様子に共感」など、報われない女性に共感するコメントが多く見受けられた。
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February 28, 2020 at 03:15PM
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あえて「格好悪いテレビCM」の好感度が高い理由 - 東洋経済オンライン
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