Macユーザーの中にもGmailを活用している人は案外多いのではないでしょうか。しかし、本家GoogleからMac版のGmailクライアントはリリースされていません。そこで多くの人はWebブラウザ経由で利用するか、Mac標準の「メール」アプリにGmailアカウントを登録して利用しているでしょう。もちろんどちらの方法でもメールの基本的な操作は問題なく行なえますが、「快適な操作性」と「Gmail本来の利便性」を同時に得たいなら、元Appleのエンジニアが開発したGmail専用メールアプリ「Mimestream」がおすすめです。
長いベータテストを経て正式公開
Mimestreamは、Appleに7年間在籍し、Apple純正の「メール」アプリの開発に関わったNeil Jhaveri氏が、2019年独立後に開発したGmail専用のメールアプリです。これまでは無料のベータ版として提供されていましたが、正式版となるバージョン1.0が2023年5月についにリリースされました。
システム要件は、macOS 12 Monterey以降。Appleシリコンを搭載したMacに加え、Intel製CPUを搭載したMacでも動作します。価格は月額4.99ドル、または年額49.99ドルとなっています。
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デスクトップアプリであることのメリット
Mimestreamを起動して多くの人が真っ先に感じるのは、なんといっても「デスクトップアプリである」ことの素晴らしさです。WebブラウザでGmailを利用すると、検索結果の表示に時間がかかったり、タブの切り替えが一瞬遅れたり、動作がもたついたりすることがあります。
しかし、Macに最適化されたMimestreamは、どんな操作を行なっても快適に動作し、使っていてまったくストレスを感じません。WebブラウザでGmailを使うよりも格段に操作性が良いのです。
また、Mimestreamはデスクトップアプリであるため、インターネットにつながっていないオフラインの状態でも起動できます。もちろん、オフラインの状態ではメールの送受信は行なえませんが、受信済みのメールを見返せるのは便利です。
そしてもう1つ、デスクトップアプリならではのメリットが「通知」です。新しいメールが届けばデスクトップ上に通知が届き、Dockのアイコンにバッチが表示されます。
こうした点は、普段Macでそのほかのメールアプリを利用している人にとっては当たり前かもしれませんが、これまでWebブラウザでGmailを利用していた人にとっては改めて便利に感じるポイントだと思います。
Gmailの高度な機能が使える
Mimestreamのもう1つの大きな特徴が、Gmailの機能をほぼすべて引き出せることです。たとえば、Mimestreamのメイン画面を開くと、サイドバーに[メイン][ソーシャル][プロモーション]という3つの受信トレイのカテゴリが表示されます。
これは、WebブラウザでGmailにアクセスしたときに、メールリスト上部に同様に表示される受信トレイのカテゴリ(タブ)がしっかりと反映されていることの証。
知人や個人的なメールは[メイン]に、SNSからの自動通知などは[ソーシャル]に、メールマガジンなどは[プロモーション]に自動で振り分けされるので、素早く目的のメールが見つかります。
特に毎日多くのメールを受信する人は、この機能があるおかげで、重要なメールが埋もれてしまうのを防ぐことができます。
Gmailのラベルやフィルタが快適に使える
Mimestreamでは、Gmailに備わったメールの管理機能も余すことなく利用できます。たとえば、Gmail特有の「ラベル」がその最たる例でしょう。ラベルとは、MacのFinderでファイルやフォルダに付与する「タグ」のようなもの。
従来の一般的なメールアプリでは、受信したメールをフォルダ分けして管理しますが、Gmailではメールごとにラベルをつけて管理するのが基本です。たとえば、「仕事」や「プライベート」といったラベルをつけたり、「差出人の名前」や「A社4月案件」といったラベルをつけたりしてメールを区別して保存するのです。
ラベルは1つのメールに対して複数つけることができますし、色分けや階層化も可能であるため、工夫次第ではフォルダ分けよりも便利にメールの整理や管理が行なえるのがメリットです。
また、Mimestreamでは、メールの自動処理機能である「フィルタ」も利用可能です。送信者や受信者、件名、キーワードなどの組み合わせに基づいて自動でラベルをつけたり、アーカイブしたり、削除したり、スターをつけたり、さまざまなアクションを設定できます。
このようなフィルタ機能はほかのメールアプリにも搭載されていますが、ともすると設定が複雑で難しくなりがち。しかし、Mimestreamは非常にユーザーインターフェイスが分かりやすいので、フィルタ設定に不慣れな人も迷うことなく活用できるでしょう。
なお、Mimestreamで設定したラベルやフィルタは、Webブラウザ上のGmailと完全に同期します。そのため、ほかのデバイスからGmailにアクセスしても、普段の使いやすい環境のまま操作することが可能です。
メールの作成に役立つ機能もたくさん
Mimestreamには、メール作成時に便利なGmailの機能もしっかりと搭載されています。ここでは、その中から特におすすめな機能を3つ紹介しましょう。
まず1つ目は「テンプレート」です。よく使う文面をテンプレートとして登録しておけば、新規メール作成時にメニューから選ぶだけで簡単に挿入できます。
テンプレートは1つのメール内でいくつでも呼び出すことができるので、冒頭の挨拶文をテンプレートで呼び出したあと、要件は手書きで入力。締めの文章はまたテンプレートを呼び出す、といったことが可能です。
2つ目は「バケーション返答」です。これは、設定した日時に届いたメールに対して自動で返信メールを発送する機能。休暇などでメールがチェックできないときに設定しておくとよいでしょう。
プロモーションメールなどに自動返信してしまうのを防ぐため、「Googleコンタクトに登録しているユーザーのみに返信する」という設定も設けられています。
そして最後の3つ目は「送信取り消し」です。これは、その名の通り、メールを送信した直後に取り消しができる機能。取り消しできる時間は最長30秒で、ユーザーが任意に選択できます。
メールを送信した直後に、宛先間違いや添付忘れ、内容の間違いや不備などに気づくことは意外と多いものです。特に、仕事でメールを使う場合に重宝する機能でしょう。
Mimestreamはどんな人におすすめ?
冒頭でも説明したように、Mimestreamは有料アプリです。Macに標準搭載される「メール」でもGmailが無料で利用できるのに、お金を払ってまで使う必要があるのか疑問に思うかもしれません。
しかし、ここまで説明したように、Mimestreamはデスクトップアプリとして、Gmail本来の機能を最大限引き出せるのが一番の魅力です。MacでGmail専用を謳ったメールアプリはほかにもありますが、その多くはメニューバーで新着メールを確認できる簡易的なもの。Gmail固有の機能をここまで引き出しているアプリは、Mimestreamだけといっていいでしょう。
特に、仕事でGmailを活用していて、仕事の効率を重要視する人にはうってつけです。毎日大量のプロモーションメールやメールマガジンが届いて、大切なメールが埋もれてしまう。そんな悩みを抱えている人にこそ、真っ先に試してもらいたいアプリです。
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