2022年06月16日 06時53分更新
小惑星探査機「はやぶさ2」チームは、同探査機が持ち帰った小惑星「リュウグウ」の試料の化学組成と同位体組成を測定。リュウグウが炭素質いん石、特にCIコンドライトと呼ばれるイヴナ型炭素質いん石から主に構成されていることを明らかにした。
小惑星探査機「はやぶさ2」チームは、同探査機が持ち帰った小惑星「リュウグウ」の試料の化学組成と同位体組成を測定。リュウグウが炭素質いん石、特にCIコンドライトと呼ばれるイヴナ型炭素質いん石から主に構成されていることを明らかにした。 今回の測定結果を発表したのは、「はやぶさ2初期分析チーム」の6つのサブチームのうち、東京工業大学などの研究者で構成する国際共同研究チーム。同チームによると、リュウグウ試料の主な構成鉱物は、リュウグウの母天体中で水溶液から析出した二次鉱物だという。母天体中の水溶液は、リュウグウに元々あった一次鉱物を変質させ、太陽系が誕生してから約500万年後に、この二次鉱物を沈積させた。その時の温度は約40℃で圧力は0.06気圧以上で、その後今日まで、持ち帰ったリュウグウ試料は100℃以上に加熱されていないと思われるとしている。 これらの結果から、リュウグウ試料は、これまでに見つかったいん石を含め、人類が手に入れている天然試料のどれよりも、化学組成的に分化をしていない、最も始原的な特徴を持っているものだという。今回の研究成果をまとめた論文は、サイエンス(Science)に6月10日付けで掲載された。(中條)
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