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Saturday, December 26, 2020

「親愛なるロンへ」平和賞へ備えた、ノボルから幻の祝電 - 朝日新聞デジタル

 「親愛なるロン ノーベル平和賞受賞者となられたことに、心からお祝いの言葉を述べたい ノボル」

 冷戦末期の1988年、ノーベル平和賞候補だった米国のレーガン大統領(ロン)の受賞に備えて練られた竹下登首相(ノボル)の祝電案があった。受賞はならず秘密扱いのまま32年、今年の外交文書公開で23日に日の目を見た。

 竹下氏は「よりよい国際関係のため大統領が成し遂げた歴史的偉業を十分わかっております」と強調。受賞候補になった理由として当時、ソ連のゴルバチョフ書記長と中距離核戦力(INF)全廃条約に調印したことが報じられていた。

 祝電案の表紙には、外相から駐米大使あてに「昭和63年9月29日20時38分」に送られたとある。ノルウェーのノーベル賞選考委員会が平和賞について、受賞者が世界で紛争解決を支えた国連平和維持軍だと発表したのは、日本時間の同日午後10時だった。

 日本政府は直前までレーガン氏受賞の可能性ありとみていたようだ。この文書をとじたフォルダーの手書きのタイトルも、「(ノボル→ロン)平和賞受賞」の下に、「せず」と小さく加えるように記されていた。

 ノーベル平和賞と言えば、安倍晋三氏が首相当時、北朝鮮問題でトランプ大統領を推薦していたことが昨年判明。大統領在任中の受賞はなかった。安倍首相の祝電案を作っていたかについて、外務省は「ノーベル賞をめぐる両首脳のやりとりは詳細を説明しておらず、この件もコメントできない」としている。(編集委員・藤田直央

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