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Wednesday, May 6, 2020

家族、友人、仕事相手……誰と話す私が本当の自分? 「自分に自信がない」人こそ持つ強みがある(本がすき。) - Yahoo!ニュース

「自分とは何か?」就職活動、社会人生活、家庭の中で……。人生の様々な場面でぶつかるこの問いに、就活中の具体的な問題の解説から、心理学、ソクラテス以来の哲学までを横断し、生徒5人とそれぞれの専門家とのディベート形式で迫っていく高橋昌一郎『自己分析論』。その中から、自己観と文化性の関係についてご紹介します。

本稿は、高橋昌一郎『自己分析論』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

■「相手によって自分が変わる」のは、健全な状態

心理カウンセラー:ところで、ちょっと思い浮かべてほしいんだけど、あなたたちは、親の前にいる自分、友達の前にいる自分、先生の前にいる自分、バイト先にいる自分が同じだと思う? それとも違うかしら?

文学部A:それは、かなり違うと思います。先生やバイト先の店長のような社会人に対するのと、家族や友達に対するのでは、言葉使いからして違っていますし……。
言葉遣いだけではなくて、それぞれ違う自分を使い分けているとすると、いったい本当の自分とは何なのか、わからなくなってきました。

経済学部C:A子は、相手によって自分が変わるの? 私は、あまり変化ないんだけど……。

文学部A:C子から見た私って、どんな人?

経済学部C:A子は、すごくマジメで、頭がよくて、しっかりしていて、頼りがいがあって、誠実な人でしょう。

文学部A:それがね、両親から見た私は、人見知りの心配性で、がんばり屋だけど、すぐにクヨクヨする弱虫で、理屈ばかり言う頑固者で、それなのに甘えっ子なのよ。まるで、別人じゃない?

経済学部C:赤ちゃんのときから育ててくれたご両親の前では、自分の「素」を出しているんじゃない?

文学部A:そうすると、両親の前の「私」が本物で、C子の前にいる「私」は、別人を演じているということ?

経済学部C:それは、どうかな……。どちらが本物というよりも、どちらもA子の一面なんじゃない?

心理カウンセラー:カール・ユングという有名な精神分析医がいてね。彼は、「社会的な役割や立場などのために人前で演出している自分の姿」のことを「ペルソナ」と名付けている。人が社会で生きていくために、いろいろな「ペルソナ」を持っていることは、ごくノーマルな状態なのよ。

ただし、あまりにも特定の「ペルソナ」と一体化してしまうと、本来の自分を見失うことになるから注意しなければならないと、ユングは警告しているけどね。

経済学部C:それは、どういうことですか?

心理カウンセラー:たとえば、学校で生徒に厳格な教師がいるとして、家庭でも同じ教師を演じ続けたら、家族は大迷惑でしょう?

経済学部C:あははは、たしかに。

文学部A:いつでも教師を演じているなんて、本人も辛いのではないでしょうか?

心理カウンセラー:そうそう。その意味で、A子さんが多種類の「ペルソナ」を持っているのは、むしろ健全な状態だともいえるのよ。

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May 05, 2020 at 12:00AM
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