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Saturday, May 2, 2020

【新聞に喝!】「コロナ後」の世界とは 作家・ジャーナリスト・門田隆将 - 産経ニュース

 コロナ禍があらゆるものを変えるだろうといわれる。歴史は“コロナ前”と“コロナ後”に分かれるというのだ。Before(以前)に続く“C”すなわちBCのCは、コロナを表すのである。

 世界はその岐路(きろ)に立っている。いま自分は歴史のどの位置に立っており、世界はどう進んでいくのか。そのことを新聞は指し示してくれているのか。私はそんな気持ちで毎日の紙面を繰(く)っている。

 日経新聞4月24日付に、英フィナンシャル・タイムズ(FT)のジャミル・アンデリーニ記者の〈自滅した中国コロナ外交〉という全6段の大きな記事が掲載された。

 米ウィスコンシン州議会のロジャー・ロス上院議長にコロナ感染拡大に対する中国の取り組みを“称賛する決議案”を提案してほしいというメールが届いたエピソードが紹介されている。てっきり冗談と思ったロス氏が調べるとシカゴの中国総領事からの実際のメールだった。氏は「親愛なる総領事殿 ふざけるな」と返信したという。

 〈中国政府は新型コロナ危機に乗じて国際的な立場を高めようとして、逆に手ひどいオウンゴールを喫するということが続いている〉と記事は指摘する。米中分断は回復不能のものとなり、英国では保守党有力議員たちが首相に中国に強硬姿勢をとるよう求め、日本政府は企業がサプライチェーン(供給網)から中国を外すことを促す2400億円超の予算を盛り込んだ。

 だが中国は政府系の『新華網』が「米国をウイルスの地獄に投げ込めるよう」医療用物資の米国への供給・輸出を停止せよと主張した。

 死者が6万人を超えた米国がこれら中国の所業を許すはずはない。だが中国は米国の批判などどこ吹く風で「力による現状変更」を続け、南シナ海に新行政区を設置し、80カ所に及ぶ島、岩礁、海山、砂州(さす)、海嶺(かいれい)に中国名と位置座標を記した命名リストを公表した。ベトナムなど周辺国は猛反発だ。

 世界がいかに岐路に立っているか。先の日経記事は最後を〈ロス議長は「中国共産党を丸裸にし、その残忍な姿と中国が新型コロナ感染を隠蔽(いんぺい)したことで全世界に与えた損害とを世界に明らかにする」決議案を準備している。圧倒的多数の賛成で可決されることだろう〉と締めている。

 コロナ後がどうなるかを暗示する記事である。だが、よく読めば、これは日経が傘下に置いたFT紙の記事の転載だった。長い間、中国に可愛(かわい)がってもらった日本の新聞記者たちには、こんな記事が書けないとしたら情けない。

                  ◇

【プロフィル】門田隆将

 かどた・りゅうしょう 作家・ジャーナリスト。昭和33年、高知県出身。中央大法卒。新刊は『新聞という病』。

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