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Wednesday, April 8, 2020

新型コロナ、イヌやネコなど動物の感染が怖い本当の理由とは(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース

次の感染源になりうる動物は? 研究、将来再び人間にうつる事態を防げ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威をふるう中、喫緊の課題はウイルスの拡散を止め、患者を治療することだ。しかし、ほかにも注視すべきことがあるとウイルス学者らは言う。これから新型コロナウイルスの宿主になりうる動物を探すことだ。別の種の体に逃げ込んだウイルスが、将来、再び人間に感染する危険性があるからだ。

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「世界中に拡散したウイルスが、中国の外で全く別の動物に伝播し、新たな感染源にならないとも限りません」と、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校のウイルス学者ラルフ・バリック氏は説明する。「実際のところはわかりません。現在の流行が沈静化したあとのことを、すべての国が考えておく必要があります」

 コロナウイルスは相手構わず感染することで悪名高い。コウモリは、何千種ものウイルスを発症することなく宿しており、これが別の動物に感染する可能性がある。ウイルスは新たな宿主に適応して変異することもあれば、変異しないまま種の壁を飛び越えることもある。

 コロナウイルスは、イヌ、ニワトリ、家畜のウシ、ブタ、ネコ、センザンコウ、コウモリなどの哺乳類や鳥類に感染することがわかっている。今回の世界的な健康危機の発生源は、中国に生息するキクガシラコウモリ属の1種ではないかと見られており、そこから中間宿主となった種を介して新型コロナウイルスが人間に伝播した可能性がある。

 ウイルス学者らは、今後、感染源になりそうな種を予測しようと研究を続けている。ウイルスが新たな種に定着し、ひそかに寄生を続けたあとで、再び人間に感染する可能性は低いと、デューク・シンガポール国立大学医科大学院のウイルス学者、リンファ・ワン氏は言う。一方でバリック氏は、それでも備えておいたほうが良いと主張する。もしそうなった場合、いったん終息してもパンデミック(世界的流行)が再燃しかねないからだ。

感染の可能性が高い種を分子モデルと実験で予測

 新型コロナウイルスはペットにもうつることがわかっている。これまでに、香港でポメラニアンとジャーマンシェパードが、その後ベルギーでネコが感染したと報じられた。3月下旬には、米ニューヨークのブロンクス動物園のマレートラが体調を崩して乾いた咳をし始め、検査をしたところ新型コロナの陽性と4月になって発表された。

 発症しようとしなかろうと、研究者らは、新型コロナウイルスに感染しうる動物全般に関心を持っている。今のところ、ペットや飼育されている野生動物から新型コロナが人間に感染した証拠はないと米農務省とCDCは言っているが、動物が実際に感染するかどうかを知るのは重要だ。

 宿主になりうる種を予測する方法のひとつに、3Dコンピューターモデリングがある。

 最近の発見によれば、新型コロナウイルスが自己複製のために宿主の細胞に侵入するには、ウイルスが持つスパイク状のタンパク質が、特定の動物細胞の表面にある「受容体」と強く結合する必要がある。アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)と呼ばれるこの受容体は、いわばドアの鍵穴であり、スパイクタンパク質はそれを開ける鍵だ。3Dコンピューターモデリングは、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質で開けられるACE2を、どの動物が持っているかを探すのに役立つ。

 2020年3月に発表された論文では、さまざまな動物のACE2受容体を比較することで、新型コロナウイルスに感染しうる種が多数特定された。その中にはセンザンコウ、ネコ、ウシ、スイギュウ、ヤギ、ヒツジ、ハト、ジャコウネコ、ブタが含まれる。

 潜在的な宿主を探すもうひとつの方法は、さまざまな動物のACE2を新型コロナウイルスにさらし、どの種が感染するかを実際に確かめることだ。バリック氏の研究室でもこの方法を用い、家畜を含め、米国に生息する動物種を中心に調べている。最近の実験では、人間をはじめ、キクガシラコウモリ、ジャコウネコ、ブタのACE2を持つ細胞はこのウイルスに感染する一方、ネズミは感染しないことがわかった。

 どの動物のACE2が感染しうるかを実験室で明らかにできたら、次は制御された環境下で、生きた動物を使ってテストする必要があるとバリック氏は説明する。

 ドイツ政府の動物衛生・福祉研究機関であるフリードリヒ・レフラー研究所は、そのためにブタ、ニワトリ、オオコウモリ、フェレットを新型コロナウイルスにさらし、感染の可否や、体内でウイルスが増殖できるかを調べている。それが可能な動物は、将来的に感染源になる可能性がある。初期段階の結果では、オオコウモリとフェレットにはウイルスが感染して増殖しやすいが、ブタとニワトリはそうではないことが示唆された。

 同様の研究についての論文は3月末にも発表された。ただし、査読はまだ完了していない。それによると、イヌ、ブタ、ニワトリ、アヒルではウイルスが十分に増殖できない一方、フェレットとネコではできており、ネコの呼吸器飛沫を介してウイルスが拡散する可能性があることがわかった。ただし、これは実験室での結果であり、実世界でもそうなるとは限らないとワン氏は注意を促す。

 自然環境にいる動物で確かめることも、同じくらい重要だとバリック氏は話す。「コロナウイルスは頻繁に宿主を変えます。究極的には、野外で野生生物の調査をしなければなりません」

 しかし、このような研究は非常に難しいとワン氏は言う。そのため、現在行われている野生調査のほとんどが、これから宿主になるかもしれない種ではなく、実際に最初にウイルスを拡散した可能性がある種の発見に力を注いでいる。

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