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Wednesday, April 15, 2020

5万円切りの新iPhone SEが持つ本当の強みとは。Appleが狙うのはスマホデビュー層(石川温) - Engadget日本版

iphone se2ついにAppleがiPhone SEの後継機種を正式に発表した。発売は4月24日となる。何よりも驚くべきはその価格。64GBモデルは税別4万4800円。つまり、消費税を入れても5万円以下だ。

ただし、2016年に発売されたiPhone SEをこよなく愛しているユーザーが首を長くして待っていた「iPhone SEの後継機種」とは印象がだいぶ異なる。

iphone se2

今回、発売となるiPhone SE(第2世代)は、iPhone 8と本体サイズやデザインは全く一緒。iPhone 8用のケースをそのまま流用できるほど「一緒」なのだ。つまり、iPhone SEというよりも「iPhone 8s」と言ったほうがいいかもしれない。

ただ、この「5万円以下のiPhone」というのは、相当インパクトが大きいのではないか。日本市場は総務省の意向により、スマホの販売に対する割引に大きく規制が入ってしまった。そのため、10万円以上するハイエンドモデルには手が届きにくくなったとされる。キャリアショップなどを手がける販売代理店関係者に聞いても「(法改正が実施された)昨年10月以降、スマホがぱったりと売れなくなった」とぼやく人が多い。

Appleとしては、一昨年のiPhone XSなどが高価過ぎて、思うように売れなかったという反省もあり、昨年のiPhone 11 Pro Maxなどでは従来よりも価格を抑えるという販売戦略に方向転換している。

これによりある程度の販売台数は確保できたようだが、一方、競争相手となるAndroid陣営を見てみると売れ筋が3万円台のAQUOD Sense3シリーズになるなど、コストパフォーマンスの優れた製品に人気が集まっていた。

Appleは、ハイエンドの新製品を出しつつ、型落ちになった機種を値下げすることで、価格的な競争力を出し、シェアを獲得していくという販売戦略を長くとってきたが、総務省の割引規制が相当、逆風になっているようだ。

世界的にもスマホが普及し、特に中国メーカーのコストパフォーマンスのいいモデルがシェアを奪いつつある。Appleとしては全世界的に「買いやすい値段のiPhone」が求められていたと認識していたのだろう。

そこで投入したのが、今回のiPhone SEというわけだ。

iphone se2

2016年に投入された初代iPhone SEもデザイン的には過去のモデルを踏襲したものだった。今回のiPhone SEは中身はiPhone 11と同じくA13 Bionicチップであるが、デザインやディスプレイをiPhone 8と同じにすることで、生産コストが大幅に下げられたのだろう。実際、iPhone 8と比べてもかなり値段が下がった印象だ。

この「デザインが一緒」というのは、本体ケースや画面保護フィルムを作る周辺機器メーカーにとってもすこぶる評判が良い。「iPhone 8向け製品を再び売れる」からだ。もちろん、周辺機器メーカーも大量生産が可能となり、結果として、本体だけでなくケースも安価になるというわけだ。

日本では昨年10月の改正電気通信事業法により、スマホの販売に対しての割引に規制が入ったものの「通信契約と紐づく場合は上限2万円まで割引できる」という条件がある。

つまり、iPhone SEは本体価格は4万4800円であるが、割引を適用すれば2万4800円まで引き下げることができのだ。3万円以下で最新のiPhoneが手に入るとなれば、売れないわけがないだろう。

ここ最近、端末販売の割引がなくなったことで、「キャリアで買うのではなく、SIMフリーを買う」という人が増えてきたように思うが、今回のiPhone SEは「キャリアで2万円の割引をしてもらって買う」というのが賢明なのかもしれない。

ここ最近の日本における割引規制でAppleは厳しい時代に突入したように見えていたが、最終手段、禁断とも言える「値下げ」をしたことで、日本で再び、iPhone人気が高まる可能性が出てきた。

日本ではいまだにガラケーを使っているユーザーも多いが、あと数年で各キャリアとも3Gのサービスを終了させるため、「ガラケーからスマホに乗り換える」という人の争奪戦が始まっている。そうした「初めてスマホにデビューするものの、スマホを使いこなせるか不安。最初は安いスマホでいい」という人にも、今回のiPhone SEはマッチすることだろう。

Appleは今年の秋以降に投入するであろう5G対応のiPhoneで「本体価格が高くても、最新技術が載ったハイエンドのiPhoneが欲しい」というiPhoneラブなユーザーをキープしつつ、安価なiPhone SEで「ガラケーからスマホデビューしたい」という初心者を獲得しにいく。

まさにこの二極化戦略によって、日本のスマホ市場で再び、iPhone人気を奪還する本気の構えと言えそうだ。


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