マンチェスター・ユナイテッドのファンである10歳の少年ダラー・カーリーはリヴァプールがあらゆる試合で勝利を収める様子を見ることに飽き飽きし、監督ユルゲン・クロップにユナイテッドを勝たせるように懇願の手紙を書いた。
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「親愛なるユルゲン・クロップ様。僕の名はダラー、10歳です。僕はマンチェスター・ユナイテッドのファンで、その為あなたにクレームを入れるために手紙を書きました。リヴァプールはあまりにも多くの試合で勝ちすぎています。もしあと9回勝利すればイングランドサッカー界の無敗記録を更新します。ユナイテッドのファンとして、それはとても悲しい事です。だからお願いします。次回試合をするときには負けてください。ライバルクラブに得点を入れさせれるだけでいいのです。この手紙でリーグの優勝を諦め、次回の試合で勝たないでくれたらいいのですが」
これに対してクロップは返事をした。
「親愛なるダラーへ。手紙をありがとう。君が私に幸運を祈ってくれたりしていないことはわかっている。しかし、サッカーファンの若い人たちからの意見を聞くのは常に喜ばしいことだ。その目的に拘わらず。君が私に便りをくれたことを嬉しく思う。残念ながら今回君の願いを聞き入れられるか保証はできない。君がリヴァプールに負けて欲しくても、私の仕事はリヴァプールが勝つようにできるだけのことをすることだ。そして世界の何百万人もの人がそれを願っているから、その期待を裏切りたくない」
「君にとって幸運なことには、我々は過去にいくつもの試合に敗れているし、これからも負けるだろう、何故ならそれがサッカーだからだ。10歳の君は物事が今のまま続くと考えているが、52歳の私はそんなことはないと君に言える。君の手紙を読んで、君のサッカーと愛するクラブへの情熱は変わらないだろう。マンチェスター・ユナイテッドは君のようなファンがいて幸運だ」
「もし我々がより多くの試合に勝利でき、タイトルを得ることができても君が失望しないことを願う。何故なら、ライバル同士のクラブでもお互いに強いリスペクトの気持ちを持っているからだ。私にとってサッカーとはそういうものだ」
このように返事をし、少年に敬意とエールを送った。
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