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Hooded Horseは、イギリスのインディーゲーム開発スタジオLong Jauntの手がけるPC(Steam)向け中世コロニーシム『Norland ノアランド 』を2024年7月18日に早期アクセスでリリースします。
本作は『Rimworld』『Crusader Kings』『Caesar』などの作品にインスピレーションを受けている管理シミュレーション。プレイヤーは小さな国の領主となって一族の繁栄や王国の発展を行いながら、混乱が続く大陸の覇者を目指していきます。
かつて大きな帝国が存在していた世界は、現在多くの国が乱立している状態です。周辺国家との関係を築き、王国の領土を拡大していくことで、やがて訪れる略奪と破壊の大軍勢を率いる侵略者たちに立ち向かわなければなりません。
公式スクリーンショットより。
本稿では『Norland』の先行プレイレポートをお届け。なお、ゲームプレイにおいてはHooded Horseから提供された先行プレイ用のビルドを使用しています。
王となって人々を導く国づくり!
『Norland』の世界は、宗教戦争で大きな帝国が崩壊した歴史から200年後を舞台に始まります。帝国の崩壊後は複数の国が誕生し、教会の力で一時は平穏だったものの、今は戦乱が巻き起こり、人々は飢えや恐怖に怯えています。プレイヤーは小さな国の領主として、この混乱した時代を収束させていきます。
ゲーム内にはプレイの基本を学ぶためのチュートリアルが用意されています。チュートリアルでは、食料や資材を集めるための施設の建築や、プレイヤーおよび貴族による仕事の管理、外交、国民の幸福度を維持する方法、盗賊との戦闘など多くの項目を学べます。
本作は国民たちに細かい指示を出せず、貴族たちの行動や管理するべき項目を決定することで進行していきます。例えば畑を作って管理する貴族を設定することで、その貴族が農民に作業指示を出すといった形式です。施設の強化などはプレイヤーが行いますが、基本的には作業場は自動で進みます。
国民や貴族は王への忠誠心と現在のムードという項目があり、生活の質によって大きく変化していきます。独自の思想や能力を持ち、自分たちの意思で生活するキャラクターの欲求を満たすためには、必要な施設や食事、ときには厳しさを与えられるような管理体制を作らねばならないのです。
次世代に知識を継承せよ!
王国の運営で大切なのが自分を含めた貴族階級の管理です。貴族たちにはマナーや貿易、戦闘や説得、管理といったスキル値が設定されています。スキル値によって施設や交易などの成果に大きな差が出るので、適材適所の配置を考えましょう。もちろん、経験を積むことでスキルは成長していきます。
また、貴族の特権として図書館から知識を得ることができます。知識を得ることで新たな施設が作れるようになったり、生産ボーナスを得ることが可能。ただし、読むためには言語やスキルなどの前提条件があります。知識習得のために必要な本は、定期的に訪れる商人から購入できます。
処刑台の管理も貴族のお仕事。
注意したいのが、習得した知識はその貴族のものであるということ。もし死んでしまったら、再び誰かが習得するまでその知識は失われてしまいます。そのため、他の貴族に教育したり本を書いて、知識や技術を継承していく必要があるのです。本を書くことで他言語の貴族でも読めるようになる翻訳もできますよ。
国の中枢を支える貴族たちにも当然それぞれの欲求があります。顕著なのが身分を誇示する「神聖なリング」というもので、王はリングを相手に与えることで、相手の満足度を高めることができます。ただし、リングの数に差があれば貴族同士で嫉妬を引き起こし、最悪の場合は争いや脱走にも繋がってしまうので注意しましょう。
公式スクリーンショットより。
公式スクリーンショットより。
『Norland』では王が死ぬこともあるので、貴族階級から世継ぎを考えておくことも重要です。貴族同士で結婚して子供を作れば、小さい頃からスキルの育成もできます。もちろん、他国の貴族と結婚して関係を良好にするような外交も可能です。また、外部からやってきた貴族を雇い、爵位を与えることで一族に組み込むこともできます。
操作は多いが情報はわかりやすい
『Norland』の目的は近隣諸国と競い合いながら、やがて訪れる恐るべき危機に耐えうる強力な国家を作り上げること。そのため、内政だけではなく外交も大きな意味を持っています。ワールドマップでは隣国に対してさまざまなアクションを起こせます。
王同士が交流したり、必要な物資を交易してお金を稼いだり、暗殺や強盗といった“闇の所業”を画策したりと、選択肢は豊富に用意されています。また、プレイヤー国家が大きな戦力を持てば戦争で従属させることも、同盟関係を築くこともできます。(方法はどうあれ)国を大きくすれば、新たな隣国とも交流できるようになるのです。
王国内では国民や貴族の管理を行い、周辺国とは関係性を構築し、ときには国家を脅かす存在と戦ったり、跡継ぎを考えたりと『Norland』で考えるべきことは非常に多彩で、操作量もかなり多めです。ヒント機能や「今不足しているもの」の表示などのヘルプも充実しているので、情報は比較的わかりやすいと思います。
公式スクリーンショットより。
いかにして安定した国家を作り上げていくのかは非常に難しいところです。筆者はなるべく貴族にリングを渡すプレイを心がけていたのですが、結果として格差が生まれた貴族同士の諍いで殺人が発生 。さらに妻が教会から派遣された執政官と不倫関係になっていた などの問題が続出し、大きな混乱に陥りました。なんかとっても楽しい!
それでも我が国は産業に力を入れているので、混乱の中でも国民の生活は最低限保たれているのが幸いでした。現在は失った人材を埋めるように流れの貴族を雇い入れ、再び安定した国家を目指しています。発生した問題に対処しやすいので、比較的プレイしやすい作品です。ゲーム開始時に難易度やイベント発生の内容なども調整できるので、管理シムに慣れてない人でも遊びやすいのではないかなと思います。
公式スクリーンショットより。
『Norland』は王国運営と拡大を主題においた作品で、意思を持って行動するNPC国民を管理して導いていく内政や、さまざまな関係性の変化による外交など、コロニー管理シムとストラテジー要素が融合したゲーム性をたっぷりと楽しめます。
今回の先行ビルドでは、一部ローカライズを含めたUI表示などに少し気になる部分はありましたが、製品版では最適化されるということで、今後のアップデートにも期待できそうです。
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